第6話

これって嫉妬?
2,211
2022/06/14 15:04
岩本照
………。
深澤辰哉
照、顔強ばってんぞ
岩本照
…そんなことねぇ
阿部亮平
いや怖いから(笑)
岩本照
あー!もう我慢できねぇ!!


感動の再開らしい康二と目黒の2人は





抱きしめあって泣いていた





初めは何食わぬ顔でぼうっと見つめていたが





だんだん心のどっかがモヤモヤしてきて。





長ぇよ……もういいだろ、?





はやく目黒から離れろ……




岩本照
康二、くっつきすぎ



痺れを切らした俺は





康二と目黒を引き剥がす



向井康二
ええやん、彼氏じゃあるまいし……。



なんて言って口をとがらせた康二





痛いとこついてくるな……




確かに彼氏じゃねーけどさ…




最近、モヤモヤするというか




目黒が他のやつと楽しそうに





絡んでるの見るとちくりと心臓が痛むんだよな




渡辺翔太
康二、口とがらせんな〜
向井康二
とがらしてへん!!
宮舘涼太
うそつけ(笑)
岩本照
…確かに、康二の言う通りだな
向井康二
…!じゃあなんで!!



なんだろう、




顔が熱くなるのが自分でも分かって




俺はそっぽを向いた


岩本照
…なんか、いやだった
向井康二
そ、それだけ!??
佐久間大介
え、何それウケる
深澤辰哉
ヒカルくん……
それは嫉妬というものですね??
ラウール
ふっかさんwww



何かとかっこよさげに言いたがるふっか。





なにそれ、なんて言いながらケラケラ笑うラウールを




横目に割と真剣に考えた




うーん、これが嫉妬ってやつなのか…?





俺は全然嫉妬してる自覚なんてないんだけど




わかんないんだよ、こんなの初めてだからさ…?



目黒蓮
岩本くん…?



二重まぶたの大きな目をぱちくりさせて




頭をこてんと傾げる目黒。




お前…そういうとこだぞ……!


岩本照
…可愛すぎる
目黒蓮
え…何言ってるんですか!?



はぁ……自覚なしかよ、




これだから天然はよ…




可愛いしあざとすぎるだろ、




心臓に悪いわ……


目黒蓮
あ、もうこんな時間
宮舘涼太
ほんとだね



気づいた頃にはもう日はとっくに暮れていた




辺りは真っ暗で、部活をしていた人たちも帰宅し




ひっそりと静まり返っている


ラウール
俺、そろそろ帰らなきゃ
阿部亮平
もう遅いし送ってくよ
ラウール
ほんと!ありがとう^^
阿部亮平
こんな暗いなか中学生1人で
歩かせられないよ


さすが阿部……!!




よく周りみてるな、




俺も見習わなきゃ


宮舘涼太
阿部、そういうとこだよな
渡辺翔太
これが気遣いとか言うやつかーー!
宮舘涼太
翔太は俺が送る
渡辺翔太
えっ……///


急な舘の言葉に固まる翔太。




これがゆり組ってやつか??




付き合ってたのは知ってたけども…




ついにこいつら堂々とイチャつくようになったか、




よく分からないが、



『ゆり組ジャスティス!!』



なんて叫んでる阿部。




なんか嬉しそう(笑)


深澤辰哉
そこ!!いちゃつくなーww
阿部亮平
ああ…ありがとう……ゆり組…
向井康二
ふっかさん、俺らは3人で仲良く帰ろや!
佐久間大介
そうそう!


家が近いふっかと佐久間と康二は一緒に帰るみたい



俺も近いからいつも一緒に帰ってるんだけど


ラウール
めめも一緒に帰ろ!
目黒蓮
あ…う、うん!
阿部亮平
じゃあ3人で帰ろっか


ぼーっとしている間に話はポンポン進んでく




ん?待てよ、目黒も阿部とラウと一緒に帰るのか?




別に悪いことではないのに、



どこか胸がチクリと痛んで。


岩本照
……ちょっとまて、
阿部亮平
ん?


自分でも自身の行動に驚いていた



気づいた時にはもう後戻りは出来なくなっていた


岩本照
目黒は俺が送る
ラウール
え、なんで!
阿部亮平
そっか、じゃあめめを頼むね?
ラウール
あべちゃん!
阿部亮平
また一緒に帰ればいいじゃん
じゃあまたね、めめ
ラウール
…そうだね、また一緒に帰ろうね!??
めめ、ばいばい
目黒蓮
あ、あべちゃん、ラウ……ばいばい


早く帰るよーとでも言うようにラウールの背中を



押しながら教室から出ていった阿部。



ナイス阿部、と心の中で俺は叫んだ


佐久間大介
さー俺らも帰ろ!!
向井康二
せやなーーっ!
宮舘涼太
俺らも帰ろう
渡辺翔太
う、うん、、
深澤辰哉
帰ろっか、じゃあまた明日ね
ひかる、めめ!


去り際に無邪気に手を振るふっか



可愛らしいな、なんて思うが



これはきっと友達としての感情。



だけどーーー

岩本照
俺らも帰るか、
目黒蓮
そう、ですね


みんなそれぞれ帰っていって、今は目黒と2人きり。



緊張して心臓はうるさいし



手に汗が滲んでいるのがわかる


岩本照
……家どの辺なの
目黒蓮
歩いて15分くらいですかねぇ、
岩本照
近いな(笑)
目黒蓮
そーなんですよ(笑)


目黒は駅方面で、俺はその逆側だったが



1人で歩かせるのは心配だったので



家まで送ることにした

目黒蓮
え、逆方面なら全然送って貰わなくて大丈夫ですよ
岩本照
いや、だって心配だし


そう口を尖らすが、目黒は遠慮しているようだ



俺は大丈夫ですから、



気にしないで真っ直ぐ帰ってください



なんて根拠の無い言葉をつらつらと並べる


目黒蓮
気遣ってもらわなくて大丈夫ですから、!
俺ももう高校生なんで……
岩本照
遠慮しないの。後輩だろ?
先輩の言うこと、聞いて


正面から目黒を見つめ、真剣に言うと




俺より5cmほど低い目黒は上目遣いで



ちらりと俺の目を見た



はぁ……なにそれ、あざといんだけど


目黒蓮
じゃー、お言葉に甘えて
岩本照
いい子だな


そう言って俺はポンポンと頭を撫でる



ちょっと子供扱い過ぎたかな、



なんて考えたけど、思ってたより喜んでたから



まぁいっか(笑)




俺たちは目黒の家に向かって歩き出した



辺りは暗く、しんと静まり返っていて



時折吹く冷たいそよ風で少し肌寒い

目黒蓮
ん、さむ……


そう言って肩を縮め、身震いをする目黒は



両腕を擦りながらくしゃみをひとつ。



もう春になったとはいえやっぱ夜は肌寒いな、



まぁ俺はわりと適温だけど


岩本照
これ羽織れば


目黒は寒がりなのだろうか。



長袖のセーターを着て



その上からブレザーを羽織っているのにも関わらず



セーターの袖を必死に伸ばして



手を温めようとしている。



あまりにも寒そうな彼に



俺は自分のブレザーを肩にかけてやった

目黒蓮
……いいんですか
岩本照
おう、俺今ちょっと暑いから
目黒蓮
ありがとーございます


少しくだけた敬語を使うあたり可愛い。

岩本照
そうだ、敬語いらないからな?
目黒蓮
え、無理ですよ、、
そんな急に言われても……
岩本照
先輩命令だぞー
目黒蓮
えぇ……


少し無理矢理過ぎただろうか。



ちょっとくだけた感じの敬語もいいけど



やっぱり敬語ない方がいい


目黒蓮
わかった、これからタメ語でいくね
岩本照
おう
目黒蓮
敬語でちゃったらごめん…
岩本照
ふっかたちにも敬語いらないから
目黒蓮
が、がんばる
岩本照
ふはw


真剣に悩み始める(?)目黒が可愛くて



俺はぷっと吹き出してしまった

目黒蓮
なに、なんで笑ってるの
岩本照
いや、なんでもない(笑)
目黒蓮
なんだよーー!


ひどいよ、顔見て笑うなんて…



そう口をとがらせて言う目黒



何しても可愛いな、こいつは。


岩本照
あ、そうだ。蓮って呼んでいいか?
目黒蓮
急にどしたの?別にいいけど


別に何も無いんだけどな



なんか下の名前で呼びたくなっただけ。



周りはみんな“めめ”ってあだ名で呼んでて



羨ましいし、負けた気がして。



名前呼びなら特別感あってめっちゃ良くね?


岩本照
……蓮
目黒蓮
んー?
岩本照
なんでも。呼びたかっただけ
目黒蓮
そっかぁ


そんなたわいもないことを話しながら帰っていると




いつの間にか家の前に着いていた




楽しいことは時間経つのが早く感じるって



このことを言うんだな


目黒蓮
あ、もうここ家だから大丈夫だよ
岩本照
そっか、じゃあ家入るまで見とくから
目黒蓮
もう大丈夫だって(笑)
岩本照
いつ襲われるかわかんないだろ(笑)


襲われないって〜、なんてあっけらかんと彼は笑う



そんなことを言いつつも門をくぐって




玄関の前に立ち、




カバンの中にあるらしい鍵を取り出す



目黒蓮
送ってくれてありがとね!
岩本照
いーよ。普通に楽しかったし
目黒蓮
んへへ、俺も〜!


じゃーね、岩本くんも気をつけて



と手を振る目黒。


岩本照
また明日な
目黒蓮
うん、また明日