第5話

すれ違い
2,280
2022/05/22 15:38

作画関係で今回もめめこじ多めです。

次作くらいからいわめめメインになっていきます!🙏



*
岩本照
康二、知り合いってどういうことだよ


なんだか感動の再会っぽくて口出せずにいたけど



ひと段落着き、目黒は疲れて眠ってしまったみたいだから



俺は気になっていることを聞いた



知り合いなら目黒の事もっと早く助けることが




出来たはずだろ?


向井康二
ぜんぶ、俺が悪いねん


康二はまた、自虐するように言った




その表情はなんとも言えなくて



悲しいような、辛いような。




ゆっくりでいいから、と促すと




鼻をすすりながらぽつり、ぽつりと話し始めた


向井康二
俺、関西から引っ越してきてん




俺と蓮の出会いは中学1年の秋やった




『目黒です、よろしく。』



『うん、よろしく…』



俺がそう言うと目黒くんはふいっと前を向いた



それだけ……、?



嫌われたんかな、おれ…



まだ初対面やねんけど嫌われとる?




第一印象は“怖そう”やった。



一見クールやし



たぶんいつもツンな感じなんやと思っとった




『ねぇ』



『え、あ俺!?』



『…俺だよ(笑)』



ふは、と吹き出す目黒くん。



あれ?思ってたんと違うやん



普通に笑うんや、この人




『ごめ、ぼーっとしとった』




『いいけど…次移動教室だからさ、一緒に行こ?』

向井康二
これが、俺らが仲良くなったきっかけやった


妙に静かに康二は言った




嵐の前の静けさと言うかなんというか。




一瞬嬉しそうな笑顔を浮かべていた康二の表情は




一瞬にして暗くなった

深澤辰哉
…康二?


心配そうに覗き込むふっか。



しかし康二はそのまま続けた

向井康二
ごめん、大丈夫…



その日から俺らは直ぐに打ち解けて仲良くなった




出会って半年も立たないくらいで




親友と呼べるくらいの仲にまでなっとった






そんな俺らの関係が崩れたのは中2の冬やった




ちょっと行ってくるね、と教室を出ていった蓮が




体を引きずるようにして帰ってきたんや




俺はそんな蓮を見るなりなんなり、すぐに駆け寄った




『どうしてん!??』



『ちょっと階段から転んじゃってさ…』


『なにしとんねんっ(笑)気をつけや〜?』


『はあい(笑)』


最初はほんまにそうやと思っとった


あれから数週間後、蓮に異変が現れ始めた



いつも通り、教室で話しかけた時。



いつもの蓮の笑顔とは違い引きつってるのが分かった



それに、目に生気が宿っておらず虚ろであった



『蓮、最近なんかあった?』



ここ最近あんまり元気ないんよな、


『ううん、なんでもないよ』


気にしないで、と蓮は言う


でも親友が落ち込んでるんや、



話聞いてあげんと…!



謎の使命感から俺は蓮から聞き出そうとするが



何も言おうとはしない



全く口を開こうとしない蓮に



問い詰めて、問い詰めて、やっと聞き出したのが



『おれ、もう学校やめたい』



その一言やった。


向井康二
蓮、お前は俺が守る


そう約束して、ずっと一緒におるつもりやった




しかし、数日後に上級生に俺が呼び出されたんや




言われた通り体育館裏に行った俺は



背の高い上級生数人に囲まれ、



そのうちの一人に胸ぐらを掴まれた




『これ以上メグに近づくならお前も同じ目に遭わせるぞ』



抵抗なんて出来るはずもなくこくりと頷いてしまう



あぁ、そっか。



だから、クラスメイトも蓮を気にかけてあげれんのやな、、、



だけど、自分もこうなるのは怖くて



向井康二
おれは……蓮から、逃げた
岩本照
おま……


ごめん、と告げた時の蓮の絶望の表情



それが鮮明に蘇ってきた



もう、戻れんかった



いくら後悔したって



自分がやった事実は消すことが出来ないから


向井康二
…俺は蓮のことを忘れるために
ここに入ってん
岩本照
お前…何言って!!
阿部亮平
ひかる!


岩本くんが力強く握った拳を上げようとするのを



阿部ちゃんがどうにか抑える

岩本照
…お前が。


岩本くんに言われて気づいた



あの時、このスノグループに入った時に



早く言ってれば



目黒はこんなことにならなかったんだ



こんなに傷つかずに、悲しまずに過ごせたはずだ




そーやんな、なんで言わんかったんやろう



大事なことはなんも言わんのが



昔からの俺の悪い癖。



ますます俺は俺が嫌いになった

岩本照
俺らだって早く動けただろ、

岩本くんはそっぽを向いてそう言った



俺は友達を見捨てた上に苦しめてしまったわけや。



そんなん、ただじゃすまんやろうな…


向井康二
…ごめんなさい、
目黒蓮
なんで、康二が謝るの


康二は悪くないよ、



蓮は首を横にふって言った


目黒蓮
だって、あの時言ってたじゃん


“俺は強くなって戻ってくる”



って。



今の俺じゃ助けられへんから、強くなって



蓮のところに戻って助けるんやーって。


目黒蓮
だから、こうやって今がある


そうや。



俺は蓮から逃げるためにここに来たんやない。




守るために、来たんや




その目的を忘れるなんて、ばかみたい。




いつか、あの屋上で誓ってん



向井康二
俺ら出会ってあんま時間経ってないのにめっちゃ仲良くなったなー?
目黒蓮
うん、康二と一緒にいると楽しい
向井康二
俺さぁ、蓮とおったら最強やと思うねん
目黒蓮
俺も、康二といたら退屈しないと思うよ
向井康二
だからさ、ずっと一緒におってな?
目黒蓮
…!!あたりまえじゃん!

今日みたいに晴天で




春風が心地よいある日の昼下がりに




小指同士を絡めて約束したあの日のことを。




俺は鮮明に思い出した


向井康二
ごめん、ごめんなぁ…れん……
目黒蓮
んーん、もういいって。大丈夫だから


泣いて蓮に抱きつく俺の頭をぽんぽんと撫でてくれる



それが心地よくて、俺は蓮を抱きしめた