第41話

725
2019/09/15 03:56
タクヤ
あなた
あなた

【なに?】

タクヤ
覚えてる?
なんて俺らしくなくて
あなた

【なにを?】

タクヤ
あー、覚えてないならいいや
なんて傷つくのも俺らしくなくて
明日誕生日だからさ、
なんて言い出す勇気がない俺だけが唯一俺らしくて
あなた

【どうかしたの?】

なんて聞く彼女に本当はなんでもいいから誕生日プレゼントが欲しい、なんて言うのはなんかかっこ悪くて
タクヤ
いや、なんでもない
そうだよな、ずっと会ってなかったんだから、覚えてないのなんて普通だよな、って
自己解決
タクヤ
眠い?
あなた

【んーん、】

なんて言って首を横に振る彼女
タクヤ
大丈夫?
あなた

【うん、寝れないの、】

タクヤ
明日LIVEだから俺はやくn
あなた

【わかってるけど、、その、】

早く寝ようと部屋を出ようとすると大好きなくまのぬいぐるみを抱きしめながら服の袖をちょこんとつまんでなにか口ごもる彼女
その姿が可愛くて、何よりも大事にしたいって、俺ってこんなやつだっけって自分に問いかけて、抱きしめたくなって、
タクヤ
どうしたの
なんて言いながら抱きしめる
あなた

【ぇ、?】

案の定驚く彼女
タクヤ
そばにいて欲しい、違う?
あなた

【え、?】

タクヤ
違うの?
あなた

【ちが、く、ない、】

タクヤ
ふはっ、
あなた

【笑わないでよ!】

タクヤ
だって可愛いんだもん
あなた

っ、

顔を赤らめて照れるあなたが愛おしくて、日付が変わったことにも気づかなかった

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