『志麻』と名乗った青年は、未だに肩を掴み続けるセンラを訝しげに見つめていた。
あの…手…離してください…
え?あ、あぁ…
センラが志麻から手を離す。
もう行っていいですか?
…チラッ
センラがそらるを見る。
フルフル
そらるが首を振るのを見て、センラは志麻に向き直った。
えぇっと…そうそう、1曲踊っていただけますか?
!?
は…?
さ。
センラが志麻に手を差し出す。
アルゼンチンタンゴは男同士で踊っても良いそうですよ。
俺がエスコートしますか?それともあなたがエスコートしてくださいますか?
…スッ
志麻がセンラの手に自らの手を重ねた。
音楽がなると同時に2人が動き出す。
一切無駄のない動き。
軽やかなステップをふむ2人。
彼らの周りだけ中世ヨーロッパの宮廷のようだった。
お上手ですね。
あなたも。
音楽がとまると、2人は礼をして離れた。
ありがとうございました。
こちらこそ。
志麻が去っていくのを見届けてから、センラはそらるの元へ戻った。
どうだった。
何かおかしなことありましたか?
犯人の特徴など、重要なことはわかりませんでした。
志麻、だっけ?あの人は?
彼は犯人ではない。
なんでわかる?
手です。
手?
美しい手でした。柔らかく、傷がひとつもない。
俺が今まで相手してきた殺人犯は、決まって手が汚かったですからね。
なるほど…
ただ…
センラが口をつぐんだ。
どしたん?
…彼は狙われる側の人間だ。犯人のターゲットは彼かもしれない。
彼の周りも警備した方がいいでしょう。
なぜそんなことが言えるんですか?
ただの勘です。
そんな勘だけで…!
天月落ち着け。俺の知る限り、センラの勘は外れたことがない。
そうなんですか?
俺、彼の周り警備します。
あぁ。他に、マークすべきやつはいるか?
そうですね…今はとくに。
よし、なら持ち場に戻ろう。
戻る途中、センラの背に寒気が走った。
嫌な予感がする…
センラは眉間に皺を寄せた。
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