紫夕side
俺は、最低だ
あんなにもあなたの事を好きだったのに
愛してたのに
あんな奴の事に騙されて
あの時にあなたにこの心を伝えていれば
言葉でしっかりと伝えれば
こんなことには、ならなかったはず
ごめんな…
ドアから聞こえる啜り泣き
とても哀しそうで
何処かに孤独感がある泣き声
それは、あなたが酷く辛いことを表していた
プルルル
あなたside
ドアの向こうから微かに聞こえた
愛花という女と紫夕が話していた会話
そっか
私の感は当たってたんだ
その人が好きなんだね
私の立場だった所にいる人なんだね
私の立場を
奪った人なんだね
今更、恨んでも
遅いんだ
君たちが決めた相手
だから、私は、応援するよ
私は、ステージの裏側で
モブとして
最後まで君たちを
HappyENDに導いたらいいんだよね…?
…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!