“私”は彼らに『渚』と名乗った。
これから、とある悲しい女の子と“私”の話をしよう。
ご存じの通り、天瀬葎は『解離性同一性障害』を患ってる。
葎のケースは少し複雑でね、
“私”は葎が七歳の、むさ苦しい夏の始めに生まれたんだ。
葎の両親は清々しいほどのクズで、
母親はすぐに癇癪をおこして殴る蹴るはしょっちゅう。
父親は葎を性奴隷としか見てなくて、葎のことを一日中犯し続けた。
それが日常だった。
そんな中、葎は耐えて耐えて耐えて耐えて........
耐えきれなくなって.....
自分の中に引きこもった。
そうして生まれたのが“私”。
葎が受け止めきれなかった痛み、苦しみを全部背負って、
葎のかわりに虐待されてた。
それが私の役目だった。
アンケート
ここまでOK?
OK!
78%
無理、わかんない。
22%
投票数: 460票
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。