俺は、春のために、ちゃんと授業に戻ってノートをとった。
春のためだから。仕方ねーよ。
結局春は、授業が終わるまで帰ってこなかった。
そして、チャイムが鳴った時。
春のもとに行こうとした時にはもう人だかりができていた。
まぁ、美人だしいい奴だしアイドルみたいな感じだもんなw
そう思ってた時。
頬を触ってみると、確かに濡れていた。
でも、なんでだろ。泣く理由なんてなかったのに。
てか、ここ数年泣いたことなんてなかったのに。
そう言って、春は俺のことを抱きしめた。
でも、さっきから胸がムカムカして、おかしいんだ。
その時だった。
急に視界が緩んだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!