第41話

side R - 悪夢 -
315
2020/08/20 08:11
side R


その日の夜。みなやんはベッドで寝かせて、俺はソファで寝ていた。


中々寝れなかった俺は、携帯で後遺症のことをもっと詳しく調べたり、どうやったらみなやんを楽にしてあげれるかとかそんなことばっかり考えていた。

真っ暗な部屋の中、
あなた
んぅ、、んん、、、うぅぅ、、、
みなやんが苦しそうだ。俺はすぐさまみなやんのベッドに駆け寄って様子を伺った。
あなた
んんん、、、、ぁあああああああ
唸りはますます酷くなる。
みなやん!!!みなやん!!!起きて!!
きっと悪夢でも見ているんやと思って、みなやんの体を揺らした。
あなた
んん、、、はぁぁ!!!
みなやんは目を覚ますと、俺の存在にすら驚いて過呼吸気味になる。
あなた
はぁはぁはぁはぁ、、、ん、、、、はぁぁあ
俺やって、俺!廉!大丈夫。安心して!!ほら、ゆっくり深呼吸して、、、せーのっ
ゆっくり息を吸う事を促しながら、必死でみなやんの背中をさする。


5分くらい経っただろうか?ようやくみなやんの呼吸が落ち着いてきた。
あなた
ほんと、ごめん。
また謝る!俺はみなやんを助けるためにここにおるの!謝る必要なんかないから。
あなた
でも、、、
みなやんはまだ俺に遠慮している。
みなやん、正直に言って。俺、近くにおったら怖い?
あなた
ううん、、、、、永瀬さんは、、、助けてくれたから、、、、怖くない。ほんまにありがと、側におってくれて。
と切なく微笑む。
俺になんかしてほしいことない?みなやんにはこの機会を利用して俺に甘えてほしいから。何でも言うてほしい。
あなた
じゃぁ、、、、、
みなやんは申し訳なさそうに俺にお願いをする。
あなた
今日、、、今日だけ、一緒に寝てほしい。一人で、、、、ベッドに入るの、、、怖い。
みなやんが言うなら毎日でも添い寝するで。そんな申し訳なさそうに言うことちゃうで。
あなた
ほんまに?
ほんまに!
俺はみなやんのベッドに入り、横になった。
ん、おいで、一緒に寝よ!
と言ってポンポンとベッドを叩いてみなやんを寝かせた。

それからは色んな話をした。

みなやんは少しだけ安心したようで、表情が柔らかくなった。
ねぇ、聞いていい?
あなた
ん?
どんな悪夢やったん?
あなた
、、、、、あのPが家にまで侵入してきて、私を襲おうとする夢。。。
あー、それは絶対ない、俺、ここにおるし。心配せんでもええよ。
あなた
うん。。。永瀬さん、、、あともう一個お願いしていい?
待ってましたやで!何でもどうぞ!
あなた
手、繋いでいい?
おう、、、ええで。
俺は少し驚いたが、躊躇せずみなやんの手に指を絡めた。

するとみなやんは、
あなた
永瀬さんの手、おっきい
と言って俺の手を取り自分の頬に持っていった。


みなやんの頬はとても冷たかった。


少しでも温めてあげたくて、みなやんの頬を撫でてあげる。
あなた
永瀬さんの手、あったかい。
少しの沈黙の後
あなた
助けてくれて、ほんまにありがとう。。。
おう、、
その瞬間、俺の指に涙が伝っていく感触があった。

暗くてよく見えないがこの感触は絶対に涙だと確信した。
みなやん、、、、思いっきり泣き。胸やったらいくらでも貸すから。
あなた
ぐすっ、、、いやや、、、泣いたら、、負けやもん、、、、
あなた
優しくせんといて、、、、甘やかさんといて、、、、私、、、、一人で生きていけへんくなる、、、、
みなやんは俺の手を頬から離した。俺は、
一人ちゃうし。俺が側におるやん。
みなやんを抱きしめた。
お願いやから、俺に甘えて
懸命に伝える。



そうすると、みなやんは堰を切ったように声をあげて泣き出した。
あなた
うわぁぁぁーん、ひっく、んん
俺は彼女を強く抱きしめ、涙が枯れて、眠りに落ちるまで肩時も離れなかった。



みなやんが初めて俺に弱い部分を見せてくれたこの夜のことを俺は一生忘れへん。

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