side R
その日の夜。みなやんはベッドで寝かせて、俺はソファで寝ていた。
中々寝れなかった俺は、携帯で後遺症のことをもっと詳しく調べたり、どうやったらみなやんを楽にしてあげれるかとかそんなことばっかり考えていた。
真っ暗な部屋の中、
みなやんが苦しそうだ。俺はすぐさまみなやんのベッドに駆け寄って様子を伺った。
唸りはますます酷くなる。
きっと悪夢でも見ているんやと思って、みなやんの体を揺らした。
みなやんは目を覚ますと、俺の存在にすら驚いて過呼吸気味になる。
ゆっくり息を吸う事を促しながら、必死でみなやんの背中をさする。
5分くらい経っただろうか?ようやくみなやんの呼吸が落ち着いてきた。
みなやんはまだ俺に遠慮している。
と切なく微笑む。
みなやんは申し訳なさそうに俺にお願いをする。
俺はみなやんのベッドに入り、横になった。
と言ってポンポンとベッドを叩いてみなやんを寝かせた。
それからは色んな話をした。
みなやんは少しだけ安心したようで、表情が柔らかくなった。
俺は少し驚いたが、躊躇せずみなやんの手に指を絡めた。
するとみなやんは、
と言って俺の手を取り自分の頬に持っていった。
みなやんの頬はとても冷たかった。
少しでも温めてあげたくて、みなやんの頬を撫でてあげる。
少しの沈黙の後
その瞬間、俺の指に涙が伝っていく感触があった。
暗くてよく見えないがこの感触は絶対に涙だと確信した。
みなやんは俺の手を頬から離した。俺は、
みなやんを抱きしめた。
懸命に伝える。
そうすると、みなやんは堰を切ったように声をあげて泣き出した。
俺は彼女を強く抱きしめ、涙が枯れて、眠りに落ちるまで肩時も離れなかった。
みなやんが初めて俺に弱い部分を見せてくれたこの夜のことを俺は一生忘れへん。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!