第20話

side S -@ 平野家-
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2020/08/16 08:57
side S


あなたの迎えを待つ間、外で考え事をしていた。

あの溶けるような感触をもう一度味わいたくて仕方なかった。そして俺はその衝動を抑えるつもりもなかった。


でもさすがに媚薬は2回も使えないしなぁ。かと言って拒まれるのも嫌だし。

そうだ!今度は俺が媚薬を飲んだらいいのか。何か作ってもらう体で家に来てもらって、それから俺が媚薬を飲んで、調子が悪くなったらあなたもきっと帰れないはず。。。

そんなことを考えているうちにあなたが迎えに来たのでそのまま助手席に乗り込んだ。



@ 平野家

あなたがお茶漬けを作っている間に媚薬を5滴ほど口に含む。

お茶漬けを食べた後に
あなた
はい、じゃあ念のため熱測ってください
と体温計を渡してきた。

この時にはもうすでに少しずつではあるが媚薬の効果が現れ始めていて、俺の息遣いは荒くなっていたが、体は依然として冷たいままだった。


ピピピ

体温計を見ると

35.5℃

あなた
え!何?低っ!え?この体温計壊れてる?
あなたは体温計を振ってみたり、リセットしてみたり色々していた。一方、媚薬を飲んだ俺は、さっきよりも一層効果が効き始めてきていて立っているのも辛いくらいだ。

体温計が壊れてないと確かめたあなたは今にも帰ろうとしている。
あなた
じゃあ私帰りますんで、ゆっくり休んで下さいね〜
やばい、あなたが帰ってしまうと思った俺はとっさに
待って!
と言い、ふらつきながらも玄関の方まで行った。
あなた
何ですか?え!?て言うか平野さん大丈夫ですか!?何か様子がおかしいですよ
俺は咄嗟にあなたを抱きしめていた。
はぁはぁはっ、なんか、、、わかんないけど、、、俺寒くて死にそう。お願い、少しあっためて
そう懇願すると、あなたは抱きしめられたまま優しく俺の背中をさすってくれた。
あなた
『死にそう』なんて言われたら、拒否権使えないじゃないですか。
と切なく笑う。
あなた、あったかい、、、、、落ち着く、、、、生き返る、、、、
それからどれくらい時が経っただろうか。あなたに触られていた背中が熱い。今まで極寒だった俺の体はだんだん火照り始めてきた。

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