side R
スイートルームには、リビングルーム、ベッドルーム、バスルームなど、いくつかの部屋に分かれていて、今回は絶対に使わないであろう大きいクローゼットまで付いていた。
2人でルームツアーをした後、ソファに座って少し話す。
照れ笑いをするあなたが可愛くて仕方ない。
少しの間メニューと睨めっこして、それぞれ食べたい前菜とメインコースを選ぶ。
普段はそんなに飲まない俺らだけど、今日は特別ということで、赤ワインをオーダー。
食事が部屋に到着し、従業員がテーブルをセッティングしている間はあなたが対応して、顔バレしないようにと俺はベッドルームで隠れていた。
コンコン
2人で乾杯する。
と言いつつ俺が食べていたパスタをつまみ食いするあなた。
お互いニコニコしながら幸せを分かち合う。
食後、ワインのせいで少し酔っ払ってしまった俺。
なんだかいい雰囲気の音楽が聞きたくて、自分の携帯と部屋に装備されているスピーカーをシンクさせて、最近のお気に入りの洋楽をかける。
あなたは俺よりも酔っ払っているっぽい。顔は真っ赤になっているし、いつになく上機嫌だ。
ソファに座ってまったりしていると、
あなたが左右にフラフラと揺れる。これでも音楽に合わせて体を動かしているらしい。
余りの泥酔っぷりに心配した俺は
と言うと、
と張り切ってソファから立ち上がった瞬間、
あなたの足がもつれる。
危ない!!と思った俺は、とっさにあなたの腕を引っ張り自分の方に引き寄せた。
あなたは、乱れた髪の毛を直しながら俺の横に座り、肩にもたれかかってきた。
赤ばんだ首筋が色っぽくて、中指で触れてみる。
いつもより熱を帯びたそこはドクドクと脈打っているのがわかる。
あなたは俺の方を向き、抱きつくような姿勢で、俺のシャツを掴んだ。
少し心配になった俺は覗き込んであなたの顔を見ると
と、ふにゃっと笑った。
少しの間、沈黙が流れる。
2人だけの時間。その沈黙すら心地よい。
ゆっくりとあなたの手を握り、指を絡める。
あなたが顔を上げてこちらを見つめる。
その不意に見せた表情が可愛くて、思わずキスを落とす。
チュッ
再び軽めのキスを落とす。
チュ、、、
あなたは少し不満そうに俺の胸元に手を添えて、
と俺を睨む。
あなたがこちらを見つめて、恥ずかしそうに頷く。
俺は彼女の頭を撫で、そのままその手を顔に添えてキスを落とす。
ゆっくりと、丁寧に、深いキスをする。
クチュ、、、クチャ、、、
過呼吸に陥りそうなあなたが心配になり、少し離れて呼吸を促す。
少し落ち着いたあなたは
恥ずかしそうに下を向く彼女の顔を上げて再び深いキスをする。
チュ、、、ペロ、、、クチュ、、、
火照り始めた体のせいで酔いは一向に冷めない。
お酒に酔っているのか、、、それとも彼女に酔っているのかわからなくなる。。。
あなたの腰に手を回しバスルームに向かう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!