第79話

side Y - 決断 -
227
2020/10/25 14:07
your side

次の日。

紫耀と廉は相変わらず忙しい。

2人が雑誌の撮影中、私は元カレともう一度会う約束のメールをしていた。


婚約指輪を返さないと。元カレには申し訳ないが、私はもう新しい第一歩を踏み出しているし、過去に戻るつもりはないから。


今回の一件で紫耀にはたくさん助けられた。昨日もし1人で考えていたら、どうしたらいいか分からなくて精神的にまいってしまっていたかもしれない。


今までは紫耀には身体で恋をしたと思っていたけれど、それは大きな間違いだった。


紫耀に包まれたとき、心の底から安心できたし、紫耀も一生懸命私を元気づけようとしてくれたことに本当に感謝しかない。


2人が撮影から戻ってきた。
あなた
お疲れ様です。
お疲れ〜
お疲れした〜
2人とも、昨日色々あったのに疲れた顔一つせずキラキラしている。


帰る支度をして、車に乗り込んだとき、元カレからメールが来た。


彼の方も都合がいいということで、早速今日会うことにした。
あなた
あ、、、、ごめん。
どうしたん?
あなた
今日、、、、会いに行ってくる。ちゃんと指輪、返してくるから、、、いいよね?
おう、1人で大丈夫か?
ついて行こか?
あなた
ううん、大丈夫大丈夫!心配せんで!
でも一応どこで会うのかだけ、教えて。もしなんかあったら、あれやから。
あなた
うん、〇〇公園で約束した。
そっか。じゃぁご飯行くとかではないんだ?
あなた
うん、1時間もあれば帰ってこれると思う。
わかった。
私は2人を送り届けてから、指輪をピックアップしてそのまま〇〇公園へ向かった。


私、上手に断れるかな。。


彼、分かってくれたらいいけど、、、。


少し不安はあるけれど、2人の支えのおかげもあって、私の決心は揺るがない。

待ち合わせの〇〇公園は、彼が滞在しているホテルから近い。仕事終わりにすぐに来てもらえるようにそこを選んだ。


予定より10分早くついた私は、ベンチに座り心を落ち着けた。

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