your side
次の日。
紫耀と廉は相変わらず忙しい。
2人が雑誌の撮影中、私は元カレともう一度会う約束のメールをしていた。
婚約指輪を返さないと。元カレには申し訳ないが、私はもう新しい第一歩を踏み出しているし、過去に戻るつもりはないから。
今回の一件で紫耀にはたくさん助けられた。昨日もし1人で考えていたら、どうしたらいいか分からなくて精神的にまいってしまっていたかもしれない。
今までは紫耀には身体で恋をしたと思っていたけれど、それは大きな間違いだった。
紫耀に包まれたとき、心の底から安心できたし、紫耀も一生懸命私を元気づけようとしてくれたことに本当に感謝しかない。
2人が撮影から戻ってきた。
2人とも、昨日色々あったのに疲れた顔一つせずキラキラしている。
帰る支度をして、車に乗り込んだとき、元カレからメールが来た。
彼の方も都合がいいということで、早速今日会うことにした。
私は2人を送り届けてから、指輪をピックアップしてそのまま〇〇公園へ向かった。
私、上手に断れるかな。。
彼、分かってくれたらいいけど、、、。
少し不安はあるけれど、2人の支えのおかげもあって、私の決心は揺るがない。
待ち合わせの〇〇公園は、彼が滞在しているホテルから近い。仕事終わりにすぐに来てもらえるようにそこを選んだ。
予定より10分早くついた私は、ベンチに座り心を落ち着けた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。