第70話

side Y - 元カレ -
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2020/10/16 06:51
your side


ある木曜日の仕事後。


今日は元カレと会う日。朝から何故かそわそわしていた私は待ち合わせのレストラン前で彼を待つ。


向かいから歩いて来る背の高い男性にふと視線を向ける、、、。


彼だ。


大好きだった、、、。


でも別れるしかなかった、、、。



胸の奥がギューッとなる。



私の姿を目視した彼は私の元に駆け寄ってきたと思うと何も言わずに私を強く抱きしめた。彼が少しだけ震えていることに気がついた私は
あなた
Hey, what happened!? Is there anything wrong!? Let me see your face..

(ちょ、、、ちょっとどうしたの??なんかあった??顔見せて、、、)
と言って彼から離れ、彼の表情をうかがう。前もよくこうやって彼のこと見上げてたな、、、、なんて思い出に浸ってしまう。
元カレ
Nooo, nothing wrong... I am just so happy to get to see you.....

(ん、、、別に何もないさ。ただ君に会えて本当に嬉しいだけだよ。)
笑顔の彼だけど、なんとなく不安そうに見える、、、。


彼は中華料理が大好きだったから、高級中華レストランの個室を予約しておいた。


ご飯を食べながら色々思い出話に花を咲かせた。楽しい話が沢山あってお酒も進む。


昔もよくこんな感じで飲みに行ったっけ。普段からそんなにはお酒を飲まない私だけど、この時ばかりは少し飲み過ぎなぐらい飲んでしまっていた。


そんな中、彼が突然黙り込み、まっすぐ私を見つめてきたかと思うと、真面目な面持ちで以前の事件についてのことを話し始めた。
元カレ
あなた、I am so sorry for what happened between you and me. I understand now why you chose to break up with me. I was too weak as a man... 

(あなた、本当にごめん。今ならどうしてお前が俺との別れを選んだかよく分かるよ。俺、弱すぎたよな。。。)
あなた
No no no... please don’t say that.. I.... just didn’t want you to suffer anymore.. it’s all in the past, so don’t feel bad about it. It was not your fault anyway. 

(その事はもういいから。。私、あなたにもうあれ以上苦しんでほしくなかったから。もうぜーんぶ過去のこと、だから気にしないで!あなたのせいじゃない。)
彼の言い分はこうだ。


とにかく私に謝りたいと。


あのとき、もし自分が精神的にも肉体的にももっと大人だったら、私のことを守ることができたのに。


別れてしまったことに後悔しかしていないと。


久しぶりに会う元カレがあのときの本音を話してくれる事は嬉しかったが、本当に気負いだけはしないでほしい。


彼の顔は暗いままだ。


その顔を見ていてもたってもいられなくなった私は、空気を変えようと、手をパン!と叩き明るい表情で
あなた
Hey!! Stop!! I wanna see your smile! Don’t worry! Like I said, I am ok now!! (もう今は大丈夫だから!笑顔見せて!)
と、言うと、彼は少し疑うような顔つきで
元カレ
What do you mean by NOW? Are you seeing anybody now?

(「今は」ってどういう意味さ?今、誰かと付き合ってるの?)
ストレートな質問、くるね。。ま、嘘つくのもあれだから。
あなた
Yes, I am... seeing somebody right now.

(うん、付き合ってる人、いる。)
そう告白した途端、彼の質問攻めにあう。どこで出会ったとか、何歳だとか、何してる人だとか、、、もう止まらない。


さすがに2人いる(しかもアイドル)という事実は伏せておいたけど、その他のことに関してはほぼ、嘘はなしで答えた。

元カレ
Well, I am jealous now.
(やきもち焼いちゃうな)
そう言いながらテーブルに置いた私の右手を両手で握り、意地悪に微笑む。

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