side S

あなたと最初に身体を重ねてから、3か月以上経つ。


お酒飲むと必ずあなたを求めてしまう自分をあなたは何も言わずに受け入れてくれている。


あなたとのセックスは相変わらずすごく良く、依存性が高い。この快感を知ってしまうともう他の女は抱けないと確信するほどだ。そしてなによりも、安心感が半端なくて、とても良く眠れる。


年の差もあるし、好きとかそういうのではないと強く自分に言い聞かせてきたが、身体を重ねるたびに想いが強くなってきている。


俺の気持ちは完全にあなたに持っていかれていた。


でも、あなたの方は一体俺の事をどう思っているのか全く読めなかった。


あなたの気持ちをどうにか確かめたいと、頻繁に身体を求めてしまう。身体を重ねている時は彼女の愛を感じるからだ。


でもそれがなくなると、またすぐ分からなくなる。きっと俺は、あなたの愛を毎日24時間感じていたいんだろう。


不安に思う理由は他にもあった。


それは、彼女から身体を求めてきた事が一度もない事。


彼女はあの快感を味わっていないんだろうか？
それとも味わっているけど我慢してるだけ？
俺に満足していないのか？
どういう気持ちで覚えていない俺に抱かれているのか？
彼女の本当の気持ちはどこにある？


分からない事だらけで俺は途方に暮れていた。

この『酔うと記憶がない』キャラも昔は便利だったが、今ではとても都合が悪い。そのせいで踏み込んだ話ができないからだ。


混乱と不安の中で、俺はただただあなたの身体を求め続けるしかなかった。

最近の俺の状態はさておき、廉にも少し変化があった。昔は何でもあなたに頼りっきり、甘えまくりだった廉が最近ではあまりあなたに頼っていない。


それに、あなたに異常に気を遣い、心配している。


まるで腫れ物に触るかのようなその廉の態度は、俺からすれば違和感でしかなかった。


何にしても、相変わらずの「みなやん」愛は変わらないようだが、前とは全く違う感じだ。


どういう心境の変化なんだろうか。


気になった俺は、ある日の撮影の空き時間に聞いてみる

すごく怪しい。絶対なんか隠してる。


俺と廉はもう長い付き合いで、あいつが嘘をついている時は大体分かる。


一体何を隠してるんだろう。

考えても考えても答えは出なかったし、俺の不安はより一層強くなった。