第78話

side Y - 秘密の夜 -
326
2020/10/25 13:58
your side

切なさが溢れ、感情的になってしまった私の目からは涙がこぼれ落ちる。


それを優しく拭ってくれる紫耀のことが愛おしくて、、、、、


でも、その優しさが痛くて、、、


より一層涙が出る。すると紫耀は、私のことを強く抱きしめてから、私をベットに横たわらせた。

お互いがベッドに横になって見つめ合う。


紫耀は私の頭を撫でながら
あなた、、、、あなたの思っていること、、、、不安に思っている事、、教えて。俺、全部受け止めるから。
真剣に話を聞いてくれようとしている紫耀に嘘は通用しない。


本心を打ち明けよう。


心はもちろん紫耀と廉にあること。


でもアイドルという職業上結婚などはできないし、このままこの同棲生活が続けば自分の両親を安心させることはできないこと。


元カレのことは別に嫌いで別れたわけじゃないし、もしかしたら平凡だけど幸せな家庭が作れるんじゃないか、両親も安心するんじゃないかと心が揺れていたこと。


全て話した。


話している間も、涙は止まらない。


紫耀は私の涙を優しく拭いながらも、真剣に話を聞いてくれた。
あなた
ご、、ごめんね、、、、。私、、、男の人の前で泣く女が一番嫌いなのに、、、、。気、遣わせて、、、ごめんなさい。
柄にもなく泣きじゃくる私に、紫耀は優しく微笑んで
いや、、、逆に嬉しいよ、、、あなたの涙、見れて。全然見せてくれないんだもん。全部さらけ出してくれてる証拠でしょ。気にしないで。
今日の紫耀は本当に甘い。私を包み込んでくれるような、包容力が半端ない。


紫耀が静かな声で話し始める。
あなたが悩んでるのは、将来のことだよね。俺たち、結婚できないから。家庭が作れないってことだよね。
あなた
、、、、うん。中途半端な気持ちで元カレと結婚するのも、、、やだ。でも心が揺れたっていうのは否定できない。。。
あなたはどうしたいの、、、?
あなた
私は、、、、紫耀と廉と一緒にいたいよ、、、、。
また涙が溢れる。


紫耀は私の顔を両手で優しく包み込んだ。
俺も。ずっとあなたと一緒に居たい。

あなた、、、愛してるよ。
あなた
私も、、、愛してる。
その言葉を聞いた紫耀は私を引き寄せて強く抱きしめた。


生まれたままの姿で服も着ずに話に集中していたので、少し寒くなった私は
あなた
っっくしゅっ
と紫耀の胸の中でくしゃみをしてしまう。
ん?寒い??
あなた
ん、、、大丈夫。。。
もいっかい、あったまろっか。。。
そう言いながら私の唇を塞いだ。


繰り返される深いキス。。
あなた
ちょ、、、っと、紫耀っ
あなたの両親、安心させないと、だろ? 子供、作ろう?俺、、、、パパになりたい、、、。
あなた
ふふっ、、、んんっ、、、くすぐったいよ、、、

ママにしてくれるの、、、?
うん、、、、あなた、きっといいママになるよ、、、
あなた
ふふふ
冗談のつもりのママ発言だったけど。

それからは、どちらともなく狂ったようにお互いを求め合い、朝になるまで何度も身体を重ねた。


起きる時間になる前に自分の部屋に戻った方がいいんじゃないかと紫耀に言ったけれど、


あなたを1人にしたくないから、、
と言って、ギリギリまで私の手を握っていてくれた。

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