第53話

🍷
8,418
2022/11/20 10:00
(なまえ)
あなた
何するの!?///
Rinu
バラそうとするからだよ…っ!


「あなた…?」と重低音が耳で響く程の



さとみくんの幻聴が微かに聞こえてきた
Rinu
最低って殴ってもいいからっ!
Rinu
一日借りるって
言ったし大丈夫!じゃないかぁ…


話しながらも自信がなくなってきたのか



瞬く間に表情が険しくなり「ごめん」と謝られた



明らかに前よりも変わりすぎてて動揺してしまう
Rinu
押してダメなら引いてみろって
言うけどね、
Rinu
オレの場合は押しまくるタイプだかr
Satomi
ふーん、そういう事ね
(なまえ)
あなた
うおっ…?!


頭上から降ってくる声にビクッと肩を動かすと



そこには私たちを見つけ出して、



近くの壁に体をもたれながらコクコクとひとりで



繰り返し頷いていた
Rinu
まさか…っ!なんでここにいんの?!
Satomi
言ったじゃん、
この辺に居んのは分かってるって
Rinu
見つけ出すとは思ってなかった…
Satomi
甘く見ないで欲しいね、
同じようなことが何個もあったんで

「ねー?」と平然を装って言っているが



目は全く笑っていない



土下座しても許してもらえる気がしない…
Satomi
おかげで足パンパンなんだけど、
Rinu
運動不足じゃないですか…?
Satomi
そっち聞いてんじゃねぇよ

莉犬くんはムッとした表情をして



指をつんつんと合わせながら目を逸らして



知らないふりをしているが嘘をつくのは苦手だ
Rinu
だってぇ…我慢できなくて、、、
Satomi
だろうな、知ってるし
Rinu
全部見て聞いてて…!?
Satomi
もちろん、邪魔しないであげただけ


「優しいでしょ?」と



強調して言って私を見て「ばかっ」と



今日も吐き捨てられた
Rinu
何で?!
絶対そんなの見たら嫌になるでしょ?
Rinu
殴ったりとか…
パンチ食らわすとかしないの?
Satomi
そこまで横暴じゃないんだけど

おかしいよ!と莉犬くんは連呼して



何故か急にハッとなってさとみくんに



同情するように言っていた



「あのなぁ…」と一呼吸を置くと再び口を開いた
Satomi
かっこ悪いことしたくないし
Satomi
すぐに男を殴る彼氏とか嫌だろ
恥じない彼氏になりたいだけだから
(なまえ)
あなた
さとみくん、、、
Satomi
許すべき行為じゃないけどな?

ジーンとその言葉に心を打たれていると



現実に戻すようにしてトドメの一言を告げられた



「かっけぇ…!」と莉犬くんも目を輝かせた
Rinu
尊敬するよ…!
先輩って呼んでいい!?
Satomi
絶対嫌だし、お断り
Rinu
さとみくん…だったよね!
オレもかっこよくなりたくて!

慕っている後輩のように、



さとみくんを見ながら「イケメンだ…!」と



未だに余韻が残っているらしい
Rinu
あなたを惚れさせる方法を…
Satomi
彼氏がそんなの言うわけないだろ
Rinu
それなら!




"キスのコツを教えて欲しい!"

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