第2話

2.場所
1,261
2021/04/20 22:29

私達の朝は、セバスチャンの入れる紅茶に、美味しいお菓子から始まる。
あなた・ファントムハイヴ
ふふっ、今日も美味しいわねニコッ
シエル・ファントムハイヴ
あぁ、特にこのスコーンは美味しい。
セバスチャン
恐縮です。用意した甲斐がありましたニコ

私とお兄様は同じ部屋だから、ずっと一緒なもの。
お兄様は当主としてのお仕事が沢山あるから、私はいつも庭師のフィニアンや
メイドのメイリンと一緒にカードゲームをしたりする。
セバスチャン
坊ちゃん、今日のお仕事ですが…
あなた・ファントムハイヴ
でも、お兄様とセバスチャンが難しいお話をしているときは少し退屈。
私はお菓子を食べて、フィニアン達とお話する事くらいしか役目が無い。
お外に行くと、“こんこん”しちゃうからって、お母様は言ってた。
セバスチャン
では妹様、失礼します。
セバスチャン
何かありましたら叫んででもお知らせください。
セバスチャン
直ぐに駆けつけて参りますのでニコッ←
あなた・ファントムハイヴ
駆けつけられたらちょっと困るわ…
ガチャン

ドアの音と共に、私のため息が部屋に響く。
いつか遠いどこかにお出掛けしたい。
この病気が治れば、お兄様達とお外でいっぱい遊べるのに。


__魔法が使えたら…いいのに。

モワァ〜(鏡の音.←)
あなた・ファントムハイヴ
?!な、何?


“困っているなら‘こっち’へおいで。”


“早く来いよ。俺を待たせるな。”


“悩みを叶えて差し上げましょう。”


“美味い飯を沢山食おうぜ!”


“アタシと美しさを極めましょう。”


“ゲーム…しよ?”


“この僕が、お前を助けてやろう。”
あなた・ファントムハイヴ
誰…?
あなた・ファントムハイヴ
私を呼ぶのは誰なの…?

鏡に手を差し伸べると、私の体は自然に吸い込まれていった。

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