あれからやっと会社案内が終わって、今先輩と一緒に帰宅の準備をしている。
だが、この部署には俺と先輩以外一人も居ない。
皆、帰ってしまった。
勿論、あれからも案内はあったが休んでは休んでは少し動いてだったので一流企業と呼ばれるこの会社であれば、残業になるのも無理はなかった。
先輩「まったく、何で俺が残業なんか・・」
なんて後ろでぶつぶつ言ってる先輩。
この先輩のせいで残業になったと言っても過言ではないのに、後輩に聞こえる大きさで文句を言ってくるのが信じられない。
きっと、この人は一生平社員のままなんだろう。
そうだ、案内されている途中くらいで考えてた事。
🐰「先輩、僕あのビッチちゃんって人とお近づきになりたいんですけど、何かツテとかありますか?」
先輩「俺が?あの、ビッチに?あるわけねーじゃん。」
残業に怒っているのか昼に比べて、言葉が雑になっている先輩。
バカらし、と言う顔でこっちを見てくる。
🐰「そこをなんとかお願いできませんか?」
先輩「無理ったらむーり。」
いつもだったら、こっから粘って行くところだが、これ以上行くと先輩の機嫌が更に悪くなると、
思ったので、今日はここまでにした。
まあ、同僚の女子にでも聞けば分かるだろう。
情報が早いし、聞かないことまでベラべラ喋ってくれる。
さて、じゃあ、同じ部署の同僚グループラインで一人引っ掛けるか。
できれば、可愛い子。
いたな、確か。
名前、忘れたけどそこらへんは何とかなるでしょ。
まあ、初対面だとしても、ベットでやることやればいいよね。
早速俺は、
グループのカトクを開く。
おっと、
どうやら、新入社員だけで新入社員歓迎会(ミニ)とやらをやるらしい。
ラッキー、丁度そこでお持ち帰りできんじゃん。
ようやくあの人に近づける。
興味がなかった世界が、一気に刺激されると思うと、思わず身をよじりたくなる。
はぁ、楽しみ。
先輩「何やってんだ、もう行くぞ。」
🐰「はーい、あ、電気消したほうが良いですか?」
先輩「ああ、全部消しといて。」
🐰「はい、消しますよっと」
『パチッ』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!