🐰「すいません、………もしかして、お腹空いてませんでした?」
🐯「違う、その、浮気……のこととかちゃんとジョングガに話したかったから……」
気まずそうにそう言うと、ジョングガは少しホッとしたような顔をして、作ってくれたご飯に、
ラップをかけていた。
🐯「ごめん………飲んで、迷惑かけて、」
🐰「別に、大丈夫ですよ、」
🐯「あの日、ちょっとバツが悪くて沢山飲んじゃっただけで、
その、………浮気って言うのは、ちがくて、!」
テヒョ二ヒョンが、今にも泣きそうな顔になる。
🐰「大丈夫ですから、テヒョ二ヒョンの言葉で、ゆっくり話してください。」
🐯「…………ごめんっ、、」
そう言って一息つくと、テヒョ二ヒョンは静かに下を向いて、
さっきの言葉通りゆっくり、事細かに話し始めた。
会社の良くしてくれてる上司に、迷っていたことを相談しに友人が経営している店へ行ったこと。
そこでその友人が、無理に上司の人にお酒を勧めていて、
お酒が苦手なその人の代わりにテヒョ二ヒョンが頼まれていた分まで飲んでいたこと。
それで酔ってしまい、その上司の人に抱えられている時にあのような写真が出来上がってしまったということ。
そして、そのままどうして良いのか分からなかった時、
丁度仕事終わりで、テヒョ二ヒョンの家を知っていたジミニヒョンが居て、
ヒョンに家まで届けてもらったこと。
そう言い終わった後も、テヒョ二ヒョンの顔は暗かった。
🐯「ごめんね、ジョングガ…………」
何も悪いことしていないのに、まるで自分が悪いかのような謝り方だ。
🐰「っ、…………!!!」
これにはいい加減、堪忍袋の緒が切れる、
🐰「だからっ、!!!!」
🐰「僕はっ、気にしてませんっ!!!
あなたが悪いとも思ってませんっ!!!!!」
🐰「テヒョ二ヒョンがどうとか、何をやったとか、他人の考えはどうでも良いんです!!!
大事なのは、テヒョ二ヒョンの今の考えなんですから、もっと、
自分の意志を尊重して下さい………」
🐯「う、んっ、ごめんねっ、………グガぁっ」
🐰「こっちこそ、ごめんなさいっ」
久しぶりに、抱きしめた気がする。
久しぶりに、抱きしめられた気がする。
この小さな背中に、全てを背負わせて、ごめんなさい、
🐯「ふふっ、何でグガがあやまんのっ、笑」
🐰「僕が、テヒョ二ヒョンを一人にしちゃったから……、助けられなかったから………、
ごめんなさい、です。」
🐯「そ………かっ………、あ、れ?ごめんっ、なんかッ、涙、止まんないやっ」
何でだろ、
そう言ってテヒョ二ヒョンは笑う。
ぽろぽろと、流れる、とどまることを知らない涙達を、
テヒョにヒョンは拭う。
あなたに、泣いてる顔は似合わない。
でも、涙を流して笑っている顔は、
罪な顔だ。
ずっと一緒に入れればいい、この顔を僕にだけ見せてくれれば、僕のことを少しでも考えてくれれば、
それでいい。
🐰「本当にごめんなさい、ヒョン」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。