第5話

         〃
316
2018/03/08 13:52
坂田
へぇー!じゃあここは、あなたの夢の世界ってことかぁー!なるほどなぁ…。
あなた

(=_=)(5回も説明しないと理解できない方が、驚きましたよ)

 僕は今、あほn(((ゲホゲホ…失礼しました。坂田と一緒に街に向かっている。本当だったら、この森を抜けた所にある山に行って、木の実やキノコを獲ったり、モンスター達と遊んだり、時には悪いモンスター達と戦ったりして遊びたかったけど…。
坂田
ねぇねぇ!あのキノコすげぇ光ってるよ?!採ってきていい?!
あなた

あれは食虫キノコの一種で、あのように光らせて、光に魅了された獲物がくるまで待ってるんだ。採取する前に、手をもっていかれてしまうよ。

坂田
食虫キノコなんてあるの?!うわぁ…怖いかも(苦笑)
 この人と山に行くのは、危険だと判断したから街に向かっているのです(真顔)まじで、この人一人にしたら、まじで怖い(真顔)何をしでかすか分からないので、夢から覚めるまで、一緒に行動することになりました。
あなた

(ヽ´ω`)(早く森を抜けたい…)

坂田
そういえば、あなたは、いくつなの?
あなた

…その言い方だと、僕を下にみてるんですか?

坂田
いやいやいや!!な、なんとなぁ〜く…俺より年下っぽいなぁ…なんて(苦笑)あ!女子に年齢聞くの失礼だよね?!ごめん!!!
 質問してきたにも関わらず、彼は「嫌なら答えなくてもいい」と言った。別に、僕は気にしないのに。変な所で気を遣うなぁ…この人は。
あなた

…16歳…ぐらいでしょうか?よく覚えていません。

坂田
え、あ、そうなんだ!俺の一個下ということは、高校1年生かな?
 彼の一個下というのには、結構驚いたが(同時にショックも受けた)、彼の言葉に疑問を感じた。
あなた

「こうこう」…?「いちねんせい」…?何を言ってるんですか?

坂田
え…?
 どうやら彼も、私の返しに疑問を持ったような様子だった。彼がまた何か言いかけたその時だった。
あなた

…今日は、ここで終わりみたいです。

 突如現れた霧が、僕達を包んだ。まだ距離はあったが、もうすぐで街に着くというところで「今日」が終わってしまった。もう少しだけ遊びたかったのに、「夢」はここまでのようだ。
坂田
俺らが夢から覚めるということ…?
あなた

この霧が現れた時には、僕達は現実に戻っています。それでは。

 僕は、彼より数歩歩いたところで立ち止まり、振り返ってこう言った。
あなた

この夢の中で、僕以外の人間が出てくることはありませんでした。

坂田
え、でも街とかあるんでしょ?
あなた

あっても、無人の街です。あなたが僕の目の前に現れたのも何かの間違いでしょう。それでは。もう会うことはないでしょうが、良い一日を。

 霧がさらに濃ゆくなったところで、僕は、彼に背を向け歩き始めた。後ろから、彼の声が聞こえたが、かまわず歩いた。白い霧は、何かを隠すように濁っていた。
坂田
また…また会おうね!!!
 彼の透き通った声が、「私」の耳に入ったところで、意識が途絶えた。

プリ小説オーディオドラマ