第26話

もしも世界が終わるなら:mn
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2026/04/14 07:44 更新















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まるで、世界の終わりみたいな夕焼けだなと思った。









大学の帰り道、川沿いの土手に寝転んで空を見ていたら、ふっと隣に影が落ちる。



mn
こんなとこで寝てると風邪ひくよ


聞き慣れた声のする方に目を向けると、見下ろしてきたのは、幼なじみの問だった。



その手には何故か小さなアイスキャンディがふたつ。

あなた
・・・なんでいるの
mn
あなたが「世界が滅びそうだから今すぐ来て」とか、意味不明なメッセージ送ってきたからなんだけど


あれ、そんなこと送ったっけ?と思いながらスマホを見ると確かに送っていた。



多分、あれだ。明日のレポート提出に追われて頭がおかしくなっていたのかもしれない。


mn
はい、あげる



ぽん、と投げられたアイスを受け取る。


あなた
さんきゅ
mn
どーいたしまして


問は私の隣に腰を下ろして、赤く染まる空を見上げながらアイスを食べ始めた。


私は起き上がってアイスの袋を開ける。





あなた
・・・なんかさ
mn
んー?
あなた
このまま世界が終わっても
おかしくなさそうじゃない?


さっきメッセージでも送った事を改めてまた発言する。


すると、冗談半分で言ったのに、問は真面目な顔で頷いてくれた。

mn
確かに。
隕石とか降ってきそうかも
あなた
でしょ!
mn
えー・・・、でもさ


問は空を見上げながら、最後の一口を食べ終える。

そして、そのまま言葉を続けた。

mn
もし・・・世界終わるなら、
言っておかないとだよなあ
あなた
・・・なにそれ?


何故か、ドキッとした。


私は溶け落ちそうなアイスを、慌てて舐めとる。






昔からそうだ。

コイツは何でもない顔で、人の心拍数をバグらせることを言ってくるんだ。


mn
仮に今日世界が終わるとして
あなた
うん?
mn
あなたは、僕に告白されないまま
死んじゃうのって嫌じゃない?
あなた
・・・・・・・・・は??
mn
ほら、人生って有限でしょ
あなた
待って待って
理屈で攻めないで


慌てる私を見て、問はふふっと笑った。


mn
じゃあ単刀直入に言うね?
あなた
え?ちょっ、
と・・・待って心の準備が・・・
mn
好き



あまりにも普通のトーンで言われたが故に、頭で理解するのかま数秒遅れた。


残り少ないアイスがぼたっと草むらに落ちる。





映画のワンシーンのように、風が吹く。



川面がきらきら光り、変わらず赤い空が反射してどこか幻想的にも思えた。




あなた
・・・え?
mn
幼稚園の頃からずっと
あなた
・・・・・・・・・え??
mn
あなたが思ってるより本気なんだけど
あなた
・・・・・・・・・え???



間抜けな声しか出ない私に、問は少し困ったように笑った。



mn
ねぇ、そんな驚く??
あなた
だって!
全然そんな素振りなかったじゃん!
mn
えー、出してたけどなぁ・・・
あなた
好きなら好きって言ってくれないと
わかんないよ、そんなのぉ〜・・・




問は少し身を乗り出して、私の顔を覗き込む。


mn
で?
あなた
「で?」って・・・?
mn
返事は?




ぐっと顔が近付く、逃げ場のない距離感。



昔から知ってる顔なのに、こんなに整っていたっけとか、睫毛長いなとか、こんな時に意味のわからないことばかり考えてしまう。



あなた
ズルくない?
mn
なにが?
あなた
世界が終わる前提で告白してるから
mn
え?
だって成功率上がりそうじゃん!



悪びれる様子もなく、あっけらかんとした態度。



その何とも言えない問の表情に耐えきれず、思わず笑ってしまった。




そして気付く。
たぶん、私もずっと前から好きだったことに。



隣にいるのが当たり前すぎて、気付かないふりをしていただけ。




あなた
・・・私も
mn
うん
あなた
好き、です・・・




次の瞬間、ぱぁっと笑顔になる問。



mn
それ、ずるくない?
あなた
そっちが先に言ったくせに
mn
今のはかなりキュンとしちゃった



そう言うと、問はそっと私の頬に触れる。


mn
・・・ちゅーしていい?




ふっと真剣な表情に変わる。
律儀に聞いてくるあたり、らしいなとも思った。




私が頷くと、そっと唇が触れた。


柔らかくて、甘くて頭の中が真っ白になる。

世界が終わるならこのままでいいと、本気で思った。










その瞬間──────










mn
あなた!起きて!


額をぺちっと叩かれた。
あなた
・・・いっ?!


飛び起きると、そこは大学の図書館だった。


どうやら机に突っ伏していたらしく、目の前に呆れた顔の問の姿が。



mn
閉館十分前、
なんで寝ちゃってるの?
あなた
・・・・・・・・・え?
mn
え?じゃなくて、
レポートは終わったの??



全部夢だったらしい。



一緒に食べたアイスも、告白も、キスも、全部。

あなた
・・・・・・・・・・・・
mn
なんでそんな絶望した顔してるの?
あなた
なんでもない・・・よ




穴があったら入りたい。
神様がいるなら、記憶を消してほしい。




夢の中で勝手に幼なじみに告白されて、勝手にキスされて、勝手に両想いになってた。


恥ずかしすぎて死ねるんですけど・・・。





俯く私を見て、問が不思議そうに首を傾げる。



mn
もしかして、変な夢でも見てた?
あなた
みみ、見てないよ!


「夢」というワードに思わずドキッとして、挙動不審になってしまった。
mn
図星なんかい



くくっと笑った問が、私のノートを閉じる。


mn
ほら、
司書さん困っちゃうから帰ろ
あなた
う、うん・・・




荷物をまとめ、図書館を出る。




陽が沈みかけていて、空はオレンジ色に染まっていた。



夢で見た空の色よりも現実的で安心する。
同時にやけにリアルだった夢を思い出し、気恥ずかしくなった。


余韻が消えなくて、隣を歩く問を見ることができない。





すると・・・



mn
ねぇ、あなた?
あなた
な、なに
mn
もし、


前を向いたまま、いつものトーンで話し出す。

mn
もしも、今日世界が終わるとしたらさ
mn
あなたは、僕に告白されないまま
死んじゃうのって嫌じゃない?
あなた
・・・・・・ぇ?


問はいたずらが成功した子どもみたいに笑った。






mn
ねぇ、続き聞きたい?

















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