唯麻『じゃあ、またね』
駿佑『あぁ』
そう言って女の子は手を振っていなくなった。
あなた『いつの間に仲良くなったの?』
駿佑『幼なじみ』
あなた『…え?』
駿佑『結構前から』
幼なじみか。
あんな可愛い子が近くにいたら、私なんか眼中に無いよね。
あなた『…そっか』
駿佑『なんか元気ない』
あなた『…気のせいだよ』
そう言って私は歩き始めた。
辛くて落ち込む。
すると聞き慣れた声がした。
謙杜『あなた!おっは』
あなた『おはよ』
謙杜『元気ないやん〜どしたん?』
そう言って肩に手を回す。
謙杜『…あ、道枝駿佑やん』
駿佑『…』
謙杜『一緒に仲良く登校?』
駿佑『…はい』
謙杜『へぇー、月崎唯麻とは登校せんでいいん?』
嫌味っぽく言う。
聞いてたんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!