あなた『また来るね』
駿佑『うん、ばいばい』
私は病院から出て、家へ向かう。
すると
謙杜『あなた〜!』
あなた『謙杜』
謙杜『俺ちょうど友達と遊んでてん、一緒に帰ろ!』
謙杜が走ってきて、隣に並んだ。
謙杜『で、どうだった?』
あなた『…最近体調悪いみたい』
謙杜『…そっか』
あなた『…さすがに辛くなっちゃうな(笑)』
そう言って笑う。
悲しい気持ちを紛らわすためだ。
謙杜『…退院祝いの準備、する?』
あなた『…え?』
謙杜『道枝は絶対助かる』
あなた『…でも…』
謙杜『信じてやらんくてどうするん(笑)』
あなた『…』
謙杜『道枝は絶対無事やから』
そう言って謙杜は私の頭を撫でた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!