そして放課後。
部活をしていない私は帰る準備をする。
謙杜『帰ろ〜』
あなた『そういえば部活は?』
謙杜『今日休み〜』
私達は一緒に学校を出た。
途中で冷やかされたりしたけど。
謙杜『“高嶺の花”、今日会えるかな?』
あなた『…知らない』
謙杜『あれ、興味ない感じ?』
あなた『うん』
謙杜『やっぱあなたはそうなんか〜』
そう言って謙杜はスキップした。
あなた『…機嫌良いね』
謙杜『あなたと帰れるから〜』
あなた『…そう』
ちょっとドキッとしちゃった。
でも、彼はそういうのをさらっと言っちゃう人。
期待なんかしちゃダメ。
すると自転車が横を通った。
あなた『…』
一瞬、時が止まった。
“高嶺の花”と目が合ったから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。