あなた『学校どうだった?』
駿佑『…まぁまぁ』
一緒に下校中。
相変わらず道枝くんは制服を着崩している。
あなた『しっかり着てよ(笑)』
駿佑『めんどい』
あなた『えー?』
そう言って私は道枝くんのボタンをしっかりとめる。
駿佑『…』
あなた『…っ』
道枝くんを見ると背が高くて上目遣いになる。
私はボタンに手をつけたまま、道枝くんを見た。
あなた『…何?』
駿佑『…べ、別に』
あなた『…?』
ずっと見てくるから聞いてみると
そっぽを向いてしまった。
駿佑『…誰にでもすんの?』
あなた『何が?』
駿佑『…こういうの』
ボタンのことかな?
あなた『他人にはしないよ〜(笑)』
駿佑『…そういう意味ちゃう(ボソッ)』
あなた『ん?』
駿佑『と、とりあえず、あんなことすんなよ!』
そう言って道枝くんは早歩きで歩く。
耳が赤く見えるのは気の所為?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!