駿佑side
ずっと美川さんが気になる。
いつからだろう。
実は彼女の事は結構前から知ってた。
初めは別に気にしてなかったけど
あなた『あ、猫ちゃん』
ネコ『にぁ』
あなた『可愛いねぇ』
そう言って野良猫と遊んでいる彼女を見て、
凄く惹かれていった。
こんなに笑顔が可愛い子がいるんだって。
それからだんだん仲良くなったけど
長尾謙杜。
こいつが俺を悩ませた。
美川さんの幼なじみ。
絶対好きだろって行動。
唯麻『…聞いてた?』
駿佑『…うん』
唯麻『絶対聞いてないじゃん(笑)』
すると男子が教室に駆け込んだ。
男子『おい!新しいカップル誕生かも!』
駿佑『…』
唯麻『道枝くん?』
嫌な予感がして教室をでた。
途中、外を見ながら歩いていると
嫌なものを見てしまった。
謙杜『大丈夫』
あなた『…』
駿佑『…っ』
抱きしめあっている男女。
男の方は俺の嫌いなアイツ。
女の方は
俺の好きな女だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!