駿佑side
駿佑『…』
あなた『きゃあ(笑)』
海に足をつけて遊ぶ彼女。
愛おしくなってただただ見つめた。
駿佑『…』
あなた『…!』
駿佑『…っ』
すると彼女と目が合い、楽しそうに手を振った。
俺も振り返す。
あなた『道枝くんー!』
駿佑『…』
あなた『楽しいよ!遊んでみなよ!』
俺はゆっくり立ち上がった。
そして靴を脱ぎ、彼女の元へ。
あなた『ほら!大丈夫!』
駿佑『…』
そう言って手を差し出してきた。
俺はその手を握った。
駿佑『冷た』
あなた『ひんやりしてて気持ちいいでしょ?』
駿佑『…そうやな』
確かに。
彼女を見ると体温が上がるから。
でも、
幸せな時間は壊されるものだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。