あなた『謙杜ー』
謙杜『ん?』
あなた『これ、手伝って』
謙杜『えー怖いねんけど』
あなた『唯麻ちゃんが教えてくれるから』
謙杜『はーい』
私は謙杜にクリームを渡した。
そして風船の作業に取り掛かる。
唯麻ちゃんは私を見て嬉しそうに笑った。
ーーー
駿佑『…なんかここ汚い(笑)』
謙杜『あー!俺がしたとこ!』
駿佑『そうやろうな(笑)』
唯麻『…ありがとう』
あなた『ぜーんぜん!』
駿佑『ん?あなたなんかしてあげたん?』
あなた『うん』
そして皆でケーキを食べる。
謙杜『うまぁ!』
唯麻『ほとんどあなたちゃんだよ』
あなた『違うよ!唯麻ちゃんだよ!』
謙杜『凄いな!尊敬!』
そう言って謙杜は親指を立てた。
口の横にクリームが。
あなた『謙杜…あ』
謙杜『…?』
思わず謙杜の顔に手を持っていった。
違う、今は唯麻ちゃんの出番だ。
私は唯麻ちゃんにティッシュを渡した。
唯麻ちゃんは戸惑いながら拭いた。
謙杜『…え、ついてた?』
唯麻『うん(笑)』
謙杜『まじ(笑)ありがとう』
唯麻『…全然』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。