うらたside
────────────
○○○○年△月□日
俺は小学5年生、あなたは2年生
寝坊しがちなあなたを毎日のように迎えに来ていた
なんだか妹のような存在でもあった
今日は春休み開けの始業式
遅れるわけには行かない
ダッダッダッダッ…
階段を駆け下りて来る音が…
前までは友達と一緒に行ってたけど
こいつが小学校に上がってから心配だから一緒に行くようにしている
おばさんには気にしなくていいと言われたけど…
──
なんだかんだで遅刻せずに登校できた
昇降口は皆一緒だけど
もちろん階は違う
あとはバイバイだ
友達を見つけてパタパタとまだ少しゆるい上履きを鳴らしながら走ってった
最初の方は友達にロリコンとか言われたけど
そんな年離れてねえよ…
──
そして、始業式が始まった
まあまあな長さの校長の話を聞き、校歌を歌い、各学年の代表が今学期のめあてを言う
今日はこれだけだからあとは帰り…
その子は3年生の並ぶ列の真ん中らへんから前に出てきた
先生からマイクを受け取ると
少し戸惑いつつも自己紹介を始めた
先生に背中を押されるとスタスタと元の場所に戻っていった
3年生だからあまり関わりないかな
そう思った
──
帰りの時間
俺は基本帰りは友達と道草しながら帰る
んだけど…あれ?
友達はじゃあな、とだけいって帰っていった
いとこ思い過ぎる俺は一緒に帰ると思ったんだろう
いつもよりもニコニコしていた
帰路につくなりあなたはある事を言い始めた
下学年の子達は基本恐れるものがない
転校生だろうが何だろうが一緒に遊ぶし喋る
この情報は友達から聞いたらしい
その自信はどこから…
でも、これがきっかけで…なんて俺も思ってはいなかった
少し前を歩く髪のふわふわした小柄な男の子
黒なんだけど少し赤がかっているような色のランドセル
────────
展開早いですごめんなさい…w
次からはもうちょっとしっかりかきますので…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。