その後あなたはその子のもとへ駆け足で行ってしまった
人見知りしない所だけが長所というぐらいの勢い…
うーん。
でもさかたくん顔強張ってない?
困ってるようにしか見えない…
そう思って俺もそこまで走っていった
どこから越してきたのかすぐ分かった
でも凄いな…
全く知らない土地に3年生で来るなんて
これは…ナンパ?とかいうやつ…
逆か…?
しかも一個上なのにタメ口って
目がキラキラしてる
…これ仲良くなったら面白いやつ?
3年生でも仲良くなったら関係ないよな
そんな事を思いつつ俺達は自然と一緒に帰って行った
あなたのゴリ押しが凄かったけれど
うまくカバーしつつ話していると緊張が溶けてくれたのか
笑顔になった
ふわふわしてるな…
あっという間に家についてしまった
平屋で古い感じの家だった
さかたくんが俺らに手を振りつつ玄関を開けると
子犬かな?
動物に無知な俺には分からないけどとても可愛い
ひょいと抱っこしてもう一度、俺らに手を降ると扉を閉めた
面白くないと自分では言ってたけれどとても気が合うし面白かった
いつもはあなたの勘なんてあてにならないから
信じないでいたけれど
今回ばかりは信じざる負えないみたいだ
俺らの家はお互いの家から5分歩けばつくところにある
学校からは15分くらい?
それに比べてさかたくんの家は10分もかからない
だからあまり長話をすることができない
それがちょっと悲しい所かな
──
1ヶ月後…
おいおい話が違うぞ
今日も一緒に帰るはずだろ
抜けがけかよ⁉
下駄箱を見たら下学年は全員帰っていた
嘘…
なんか寂しいんだけど
追いかけていくと学校から少し離れた
恐らくさかたくんの家からは近いような小さな公園のブランコに2人
さかたくんは俺を見て少し驚いていた
いやこっちのセリフ…
多分あなたは俺が帰ったんだと思ったんだろう
誰も悪くない、誰も…
するとあなたがお悩み相談してたと言った
それを聞くとさかたくんのお父さんとお母さんは別に住んでいるんだそう
だからお父さんと2人こっちに引っ越してきた
寂しいし、行ってしまえば特別仲がいいのも俺らだけ
不安だらけらしい
お父さんに理由を聞いても教えてくれない
ということだそう
ごめんとは謝ったけど
やはり親の事情というのは子供にとって不安なのかな
まあ、俺もよく分かんないけど…
──
はい!と今更なんですが
読んでくださっている方殆どがcrewさんだと思うのですが
もしあだ名呼びが苦手な方がいたらごめんなさい!
設定上なのでお許しを…(* . .)⁾⁾
そして、関西弁は一応調べつつやっていますが、え?違くない?というところがあると思います…
大目に見てやってください
教えていただければ直せるのでお願いします…
次も見ていただけると嬉しいです!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。