私達はまず、お城のお堀の周りを歩いていた
お堀との間は湖のようになっている。
あなた:
〔これぞ…“雅”というものだね〕
アストルフォ:
〔意味、理解してるんですか?〕
あなた:
〔してるし!〕
アストルフォ:
〔あはは…っ〕
〔あ…!〕
アストルフォはお堀の方を見つめ、指をさす
アストルフォ:
〔見てください!白鳥が泳いでいます!〕
あなた:
〔…!〕
〔ほんとだ!〕
〔可愛い!!〕
〔もっと近くで見たい!〕
湖のギリギリまで近寄ると、偶然にも白鳥がこちらに寄ってきていた
あなた:
〔こんなに近くで白鳥を見たの初めて!〕
〔可愛いっ…!!〕
思わず前のめりにして見ると、足がずるっと滑った
アストルフォ:
〔……っ!あなた!!〕
──グイッ──
落ちる寸前、アストルフォが私の腕を引っ張って、私は落ちることなくアストルフォの体へと収まった
あなた:
〔あ、ありがと………〕
アストルフォ:
〔ほんっっと…!ばか!〕
あなた:
〔うぐ…〕
アストルフォ:
〔危ないから今度からは気をつけて…!〕
あなた:
〔ひゃい………〕
アストルフォ:
〔………でも、どうせ君は、いっつも危険を冒すでしょうから…〕
〔その時は、ボクが守ってあげなきゃですね〕
あなた:
〔………うん〕
〔私の未来の旦那様は頼もしいねっ〕
アストルフォに笑いかけて見つめてみると、彼は少しの間停止していた。
アストルフォ:
〔…………………〕
〔……………〕
〔…………ッ////〕
〔きゅ…急に……何言い出すんですか…!君らしくもない…!!!//〕
〔今まで…ボクのこと婚約者として見てくれたことなんて全然ないくせに……///〕
照れ隠しでツンツンした物言いをしているんだろうけど、こういうところまで可愛くて愛しいと思ってしまう。
もー……ほんと…、、
あなた:
〔好き…♡〕
アストルフォ:
〔〜っ…!!?///〕
〔……バカ…////〕
アストルフォは赤面して目をそらす。
その仕草だけで世の女性は…男性でさえもときめくと思う
あなた:
〔アストルフォ…その仕草と表情だけは絶対に他の人に見せないでね?〕
〔きっと押し倒されちゃう。〕
アストルフォ:
〔は……?〕
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。