お話を聞いた。
でも、いったん別室に移ってからだけど
美術館には期間限定でおいているらしく、今日が展示して4日目になる。
今日にはもう回収されたが、ほぼ毎日だ。
きっとこれは、情けだろうか?
恩着せがましいが、話を聞いてみたいと思った。
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夏目、田沼、多斬は作品を見ながら待っててくれた。
でも、約束はしてしまったが
嘘をついた
だって、私が学校に行かなくてもあの人達は気にしないし、知るはずもないことだ。
親御に連絡するなんてあったとしても、ちょっと怒られるだけだ。
心配してくれているのかな?
私には心配してくれる友だちがいるから大丈夫だね
それはじゃれ合う親子の絵だった。
親は子を抱き、頭を撫でている。
子は嬉しそうに、幸せな表情をしている。
その日。帰りの電車に乗って帰った。
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帰ろうとしたら、手を惹かれて呼び止められる。
時刻は七時。
長居しすぎたみたいだった。
家までの帰る道で、館長と話したことを夏目にいった。
ナニカ、気になるのだ。
もし、あの段階で妖怪がいたなら……
2階建ての木造建築の家。
リビングには明かりがついている。
帰ってきているのだろう。
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夏目達に手伝ってもらい、手がかりを探しました。
一つだけ、分かったことがあります。
館長は絵が毎晩動いていると言っていました。
なんの意味なく動くとは思えませんでした。
あの妖怪は『あいたい』と言っていました。
きっと、
動いたのは
大切な誰かに会いに行く為に
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。