第17話

夜の道
555
2019/08/24 06:35
お話を聞いた。
でも、いったん別室に移ってからだけど
館長
館長
あの絵は『佐々木彩夏』と
いう人が出店したものなんです
棗悠希
棗悠希
へぇ……
館長
館長
初めて見たときは綺麗だな、
と思ったんですけど…………
不気味なんですよ
棗悠希
棗悠希
不気味?
館長
館長
展示して、しばらく時間がたつと、
物音がして……
見に行ったら落ちてるんです。
しかも、夜中です。
立て続けで起こって、3回ほどです
美術館には期間限定でおいているらしく、今日が展示して4日目になる。
今日にはもう回収されたが、ほぼ毎日だ。
館長
館長
私が知っているのは
こんなことぐらいです。 
…………よかったら、
佐々木彩夏さんに会ってみませんか?
きっとこれは、情けだろうか?
恩着せがましいが、話を聞いてみたいと思った。
棗悠希
棗悠希
はい。ぜひ、お願いします
館長
館長
こちらから面会は
準備させていただきますから。
こちらから佐々木さんの住所です。
日時については3日後でよろしいですか?
棗悠希
棗悠希
お願いします
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田沼要
お!帰ってきたみたいだぞ
夏目、田沼、多斬は作品を見ながら待っててくれた。
夏目貴志
夏目貴志
どうだったか?
棗悠希
棗悠希
上場ってとこ。
えっと…3日後にその絵の
作者さんに会わせてくれるって!
夏目貴志
夏目貴志
よかったな
多軌透
でも、その日って学校じゃないの?
棗悠希
棗悠希
あっ………
夏目貴志
夏目貴志
忘れてたのか
でも、約束はしてしまったが
棗悠希
棗悠希
問題ないよ!
田沼要
学校、ないのか?
棗悠希
棗悠希
うん!
嘘をついた
だって、私が学校に行かなくてもあの人達は気にしないし、知るはずもないことだ。
親御に連絡するなんてあったとしても、ちょっと怒られるだけだ。
田沼要
ならいいけど……
心配してくれているのかな?
私には心配してくれる友だちがいるから大丈夫だね
棗悠希
棗悠希
ところで、なんの絵見てたの?
多軌透
この絵だよ、悠希ちゃん。
それはじゃれ合う親子の絵だった。
親は子を抱き、頭を撫でている。
子は嬉しそうに、幸せな表情をしている。
多軌透
見てるこっちが暖かく思えちゃってね
夏目貴志
夏目貴志
そうだな………
棗悠希
棗悠希
うん………
その日。帰りの電車に乗って帰った。
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棗悠希
棗悠希
バイバーイ!
帰ろうとしたら、手を惹かれて呼び止められる。
夏目貴志
夏目貴志
送ってくよ、棗。
もう遅いし
時刻は七時。
長居しすぎたみたいだった。
棗悠希
棗悠希
………うん!お願いするよ、夏目
多軌透
私達は帰るけど………
夏目くん、悠希ちゃん。バイバイ
田沼要
じゃあな、夏目、悠希
家までの帰る道で、館長と話したことを夏目にいった。
夏目貴志
夏目貴志
毎晩、落ちる絵…………
棗悠希
棗悠希
不気味………ていうかね……
ナニカ、気になるのだ。
もし、あの段階で妖怪がいたなら……
夏目貴志
夏目貴志
わかったのか?
棗悠希
棗悠希
予想に過ぎないけど……
うん……明確になったら言うね!
夏目貴志
夏目貴志
ああ
棗悠希
棗悠希
あっ、私の家ここ!
2階建ての木造建築の家。
リビングには明かりがついている。
帰ってきているのだろう。
夏目貴志
夏目貴志
じゃあな、棗
棗悠希
棗悠希
うん!今日はありがと、夏目
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夏目達に手伝ってもらい、手がかりを探しました。
一つだけ、分かったことがあります。
館長は絵が毎晩動いていると言っていました。
なんの意味なく動くとは思えませんでした。
あの妖怪は『あいたい』と言っていました。
きっと、



動いたのは
 





















大切な誰かに会いに行く為に

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