高校に入って初めての夏休み。
純喜先輩とはかなり仲良くなって、一緒に帰ることも増えていた。
今日も一緒に帰る。
私が純喜先輩と一緒に帰る時、あなたは汐恩と帰ってくれるからありがたい。
純喜先輩は一緒にいてすごく楽しいし、いつも笑っている気がする。
純喜「結菜さ、」
結菜「はい」
純喜「その…花火大会誰と行くん?」
結菜「まだ決まってないです」
純喜「じゃあ俺と行かん?」
結菜「えっいいんですか?」
純喜「もちろん!一緒に行こ!」
結菜「はい!」
誘われてすごく嬉しかった。
純喜先輩も喜んでくれていた。
花火大会の日。
純喜先輩が水色が好きって聞いたから水色のワンピースを着た。
純喜「結菜!」
結菜「こんにちはー」
純喜「待たせてごめんな、行こ!」
屋台を回ってたくさん楽しんだ。
花火の時間が近づき、場所を移動する。
隣に座ると距離が近くてドキッとした。
純喜「今日結菜と来れてよかった」
結菜「私もすごく楽しかったです」
いつもと感じが違う先輩になぜか心拍数が上がる。
純喜「今日言いたいことあってさ。
結菜はいつも隣にいてくれるし、俺のつまらん話でも笑ってくれて。
そんな結菜とこれからも一緒にいたいって思う」
純喜「結菜が好きです。付き合ってほしい」
結菜「…お願いします」
純喜「ほんま!? え〜めっちゃ嬉しい!」
さっきまでの落ち着いた先輩は一瞬でいなくなった。
純喜「えっほんまにいいの?」
結菜「はい」
純喜「え〜嬉しい…」
幸せを噛み締めているかのような表情。
と思ったら、一変して悪戯っぽい笑みを浮かべる。
純喜「結菜の気持ち聞いてないな〜?」
結菜「えっ」
純喜「俺のことどう思ってるん?」
結菜「いや、その…す、好き、です…」
恥ずかしくて下を向いていると
純喜「俺も好き!大好き!」
純喜先輩が急に抱きついてきた。
結菜「ちょっ先輩!外ですよ!」
純喜「もう先輩っていうのダメ」
結菜「じゃあなんて呼べばいいんですか?」
純喜「純喜」
結菜「いやいや、無理ですよ」
純喜「え〜せっかく付き合ったのに?」
結菜「ええ…」
純喜「純喜って呼んで!」
結菜「…純喜」
純喜「結菜〜!」
また抱きついてきた。
強引だけど、どこか優しくて。
私も純喜を抱きしめた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。