第54話

番外編 先輩③
1,708
2020/06/03 12:00
高校に入って初めての夏休み。


純喜先輩とはかなり仲良くなって、一緒に帰ることも増えていた。
今日も一緒に帰る。

私が純喜先輩と一緒に帰る時、あなたは汐恩と帰ってくれるからありがたい。
純喜先輩は一緒にいてすごく楽しいし、いつも笑っている気がする。
純喜「結菜さ、」

結菜「はい」

純喜「その…花火大会誰と行くん?」

結菜「まだ決まってないです」

純喜「じゃあ俺と行かん?」

結菜「えっいいんですか?」

純喜「もちろん!一緒に行こ!」

結菜「はい!」

誘われてすごく嬉しかった。

純喜先輩も喜んでくれていた。





花火大会の日。
純喜先輩が水色が好きって聞いたから水色のワンピースを着た。
純喜「結菜!」

結菜「こんにちはー」

純喜「待たせてごめんな、行こ!」
屋台を回ってたくさん楽しんだ。

花火の時間が近づき、場所を移動する。
隣に座ると距離が近くてドキッとした。
純喜「今日結菜と来れてよかった」

結菜「私もすごく楽しかったです」
いつもと感じが違う先輩になぜか心拍数が上がる。


純喜「今日言いたいことあってさ。


結菜はいつも隣にいてくれるし、俺のつまらん話でも笑ってくれて。


そんな結菜とこれからも一緒にいたいって思う」






純喜「結菜が好きです。付き合ってほしい」




結菜「…お願いします」


純喜「ほんま!? え〜めっちゃ嬉しい!」
さっきまでの落ち着いた先輩は一瞬でいなくなった。
純喜「えっほんまにいいの?」

結菜「はい」

純喜「え〜嬉しい…」
幸せを噛み締めているかのような表情。

と思ったら、一変して悪戯っぽい笑みを浮かべる。
純喜「結菜の気持ち聞いてないな〜?」

結菜「えっ」

純喜「俺のことどう思ってるん?」


結菜「いや、その…す、好き、です…」
恥ずかしくて下を向いていると

純喜「俺も好き!大好き!」
純喜先輩が急に抱きついてきた。
結菜「ちょっ先輩!外ですよ!」

純喜「もう先輩っていうのダメ」

結菜「じゃあなんて呼べばいいんですか?」

純喜「純喜」

結菜「いやいや、無理ですよ」

純喜「え〜せっかく付き合ったのに?」

結菜「ええ…」

純喜「純喜って呼んで!」

結菜「…純喜」

純喜「結菜〜!」
また抱きついてきた。


強引だけど、どこか優しくて。

私も純喜を抱きしめた。

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