第58話

大会
1,817
2020/06/05 12:00
すごい人…




今日は翔也君のダンスの大会。
結菜と汐恩と3人で見に来た。


あなた「こういうの来たことない…」

色々なグループが次々に出てきて、個性的なパフォーマンスをする。
すごいなあ。

みんなかっこいい。

結菜「次木全君だよ」
翔也君が出てくる。
文化祭の時も見たけれど、その時とは全く違う。

かっこいい衣装に身を包み、オーラを感じる。
あなた「かっこいい…」
曲が始まってもいないのについ口に出してしまった。


立ち位置について曲が始まる。


言葉が出なくなった。

翔也君の他に6人いるのに、私の目には翔也君しか映っていない。




あっという間に終わってしまった。

みんな礼をしてステージを降りていく。
私ずっと余韻に浸っていた。

なんであんなにかっこいいんだろう。
これだから翔也君の沼から抜け出せない。








終わったあと、翔也君が私たちの所へ来た。
翔也「めっちゃ緊張したあ…」

結菜「木全君すごいね。今日はめっちゃ大人っぽかった」

汐恩「ギャップだな」

翔也「えへへっありがとう」

結菜「あなたも何か言ったら?」

あなた「うん…」
翔也君を見て無意識のうちに出た言葉は。






あなた「好きだなぁ…」


翔也君の顔がみるみるうちに赤く染まる。
私も自分の発した言葉の大変さに気づく。
あなた「え…今なんて言った…?」

翔也「その…す、好きって…」
翔也君に負けないくらい顔が真っ赤になる。
あなた「あ、いや、その…ダ、ダンス! ダンスが好きっていう意味…です…」
自分で言っておいてすこく言い訳がましい。
翔也「あ、ありがとう…ございます…」
たまらず結菜の後ろに隠れる。

結菜「私も木全君のダンスすごい好きだった!」

結菜がすかさずフォローを入れてくれる。

翔也「あ、ありがとう!」
とてもこの場には居られない。
結菜「私たち用事あるから帰るね!木全君おつかれさま!」

翔也「あ、うん、来てくれてありがとう」
誰にも聞こえないくらい小さい声で私もお疲れ様と言い、結菜と早足でその場を去った。









駅について結菜とカフェに入る。
あなた「どうしよう…」

結菜「なかなか大胆なこと言ったね」

あなた「無意識…」

結菜「まあ大丈夫だって」

あなた「気まずくなるかなあ…」

結菜「木全君なら普通に話してくれると思うけど。それに、逆に意識してもらえるかもよ」

あなた「うぅ…」










一方、あなたたちが帰った後
翔也「汐恩…俺ダンスやっててよかった」

汐恩「よかったな」

翔也「でも恥ずかしくて喋れないかも…」

汐恩「それはあなたの方が気にするから普通に話せよ」

翔也「うん…ああ〜やばい…」

汐恩「顔キモいぞ」

翔也「ひどい!キモいはやめて!」




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