先生が教室に入ってくる頃には翔也君に聞こうとしていたことなど忘れていた。
SHRをやってから体育館に行って開会式を行う。
その移動中に翔也君に話しかけられた。
翔也「試合見に来てね」
あなた「うん、もちろん」
翔也「あなたさんもバスケ頑張ってね。見に行くから」
あなた「頑張る〜」
私はバスケに出る。
翔也君は今年もサッカーに出る。
翔也「今年もゴール決める!」
あなた「お〜期待しとく」
翔也「だから、ゴール決められたら
僕のこと翔也って呼んでね」
あなた「え」
翔也「ね!いいでしょ!」
あなた「う、うん…」
頑張るぞー、と意気込んでいる。
あなた「じゃあ私がシュート決めたら私のことあなたって呼んで!」
こう言ったのは我ながら頑張ったと思う。
翔也「いいよ〜」
よし。
絶対シュート決めるぞ。
翔也「じゃあお互い頑張ろー!」
あなた「おー!」
そう意気込んだものの…
今日3試合目、決めるどころか、未だに1本もシュートを打っていない。
ずっとサッカーを見ていたからわかる事だが、みんなが前に行ってしまうから後ろが薄くなる。
だから私はずっとディフェンスをしていた。
結菜は経験者だからオフェンスもディフェンスもこなしていてかっこいい。
結局その試合も点を決められなかった。
試合が終わってから、どうしても点を決めたくて結菜に相談する。
あなた「…っていうことがあってね、前に行きたいんだけど…」
結菜「なんだ、そんなことなら早く言ってよ!次決勝だよ?」
あなた「う、ごめん…」
結菜「任せて!」
結菜はみんなを集めて話してくれる。
結菜「結構後ろあなたに任せてるから、最後くらい前に行かせたいんだけど」
「確かに!」
「あなたちゃん、ごめんねぇ」
あなた「ううん、全然!」
「じゃあ私、次ディフェンスまわるよ!」
あなた「ありがと〜!」
後はシュートを決めるだけだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。