第16話

買出
2,098
2020/05/13 11:11
夏休みに入り、課外授業や部活に加えて夏休み明けにある文化祭の準備をする。




8月に入って課外授業が終わり、午前中に部活、午後に文化祭準備をする毎日。



今日は土曜日だからかあまり人がいなくてサッカー部6人でやっていた。
あなた「材料足りなくなってきたから買い出し行きたいんだけど、誰か手空いてる?」
声をかけたがみんな忙しそうだ。
仕方ない、ひとりで行こう。

そう思った時、教室のドアが開く音がした。
汐恩「あれ、翔也じゃん」
ドアの方を見るとひょっこりと顔を出している木全君がいた。
翔也「2組は順調ですかー」

汐恩「まあまあ。翔也何しに来たの?」

翔也「今日人いなくてできること限られてるから飽きちゃった」

汐恩「じゃあさ、あなたと一緒に買い出し行ってくれん?」

翔也「えークラスの人に怒られちゃうよ」
いや、まず私が申し訳なくて行けません。
汐恩「大丈夫っしょ。あなたがグミ買ってくれるって」
まさかグミ1つで行くほど単純じゃないだろう、と思って木全君の方を見ると目をキラキラさせてこちらを見ていた。
翔也「あなたさん、ホント?!」

あなた「えっと…」
そんな目で見つめられたら断れない。
あなた「う、うん、いいよ」

翔也「やったあ!僕グミ大好き!」
そんなにテンションが上がるものなのか。
あなた「じゃあ行く?」

翔也「早く行こー!」
買い出しを済ませて近くのコンビニに寄る。
木全君は果汁グミのぶどうがいちばん好きらしく、嬉しそうに渡してきた。
私がレジに並んでいると木全君も買い物をするといい、先に会計をして外で待っていた。
少しして木全君が出てきた。
翔也「はい、お茶とカルピスどっちがいい?」
笑顔で聞いてくる。
あなた「いやいや、いいよ」

翔也「え〜でも2本もいらないし、温くなっちゃうからあげるよ、どっち?」

あなた「…じゃあお茶で」

翔也「はい、どーぞ」

あなた「ありがとう」
ベンチに座ってお茶を飲む。
あなた「ついてきてもらってごめんね」

翔也「いいよ、僕が勝手に来ただけ」
グミには勝てない、と言う木全君。
翔也「2組何やるの?」

あなた「迷路だけど、色々仕掛けあるから結構楽しいと思うよ」

翔也「楽しそう!絶対行くね!」

あなた「うん、待ってる」

翔也「僕のクラスは喫茶店やるからあなたさんも来てね」
喫茶店か。

どんな格好をするんだろうと想像してみる。

まあ木全君は前髪で目が見えないこともあるけど顔は整ってるから何着ても似合いそう、という結論に至った。
翔也「よし、そろそろ行こ」
木全君の一言で私たちは立ち上がった。

プリ小説オーディオドラマ