第35話

なんでもいいから…
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2019/10/30 08:26
《不死川side》
あいつが目を覚まさなくなって1週間が経った。胡蝶によれば回復は絶望的らしい。
時々魘されているあなたは今、何に苦しんでいるのだろうか。
不死川実弥
なんでもいいから…早く起きろよ…
あなた
さね…み…
不死川実弥
俺ならここにいるぜ…
そう言ってあなたの手を握る。
包帯が巻かれてる
この小さい手のひらも針が貫通しちまったのか…
不死川実弥
痛かったよなァ
あなた
はぁ…はぁ…
急にあなたの呼吸が荒くなり、一気に焦りと不安が掻き立てられる。
不死川実弥
おい、大丈夫かよ?!
神崎アオイ
どうなさいましたか?
不死川実弥
息の仕方がおかしいんだ!!胡蝶を…
胡蝶しのぶ
やはり、心臓を貫いたのが良くなかったのでしょう…よく1週間もったものです。
不死川実弥
死ぬのか…?
胡蝶しのぶ
今夜が山場でしょうね…
不死川実弥
そんなことあるかよ…
鎹鴉
不死川実弥、北北東、北北東の山へ向かえ!!
不死川実弥
こんなときに限って、くそ!!
胡蝶しのぶ
不死川さんがここ一週間ずっとあなたさんについてらしたんですからきっと大丈夫です。他の隊士も柱も出払っていますので、私が責任をもって面倒を見ます。
冨岡義勇
…俺も
胡蝶しのぶ
冨岡さん、いつからいらしたんですか…
冨岡義勇
はじめからだ。
不死川実弥
胡蝶、冨岡ァ、あなた死なすなよ?
胡蝶しのぶ
ええ、もちろんです。
冨岡義勇
承知した。
不死川実弥
おいあなた、生きろ!!
俺は少し、出てくるからな。
胡蝶しのぶ
お気をつけて

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