第50話

鬼の脅威となる
10,305
2020/03/12 10:17
日はあっという間に暮れ、街を堪能し、久々に1日歩いたからか私の体はすっかり疲弊しきっていた。
それか、最悪の考えも頭をよぎった。
─歩いて回るだけでも限界を迎える体になってしまったのか。
もうあまり考えない方がいいかもしれない。
不死川実弥
あなた、疲れたか?
あなた
え、あ、そうですね…もう結構疲れてきました…
不死川実弥
おぶってやるから背中に乗れ
あなた
だ、大丈夫です、!まだ歩けます…
不死川実弥
あまり無理すんじゃねェよ?
あなた
はい、!
大丈夫と言ったものの…だいぶきついですね、
でも迷惑をかけるわけにはいきませんし、
あなた
どうしてこう…私ってこんなにもお役に立てないんでしょう…
不死川実弥
そんなことはねぇよ。
あなた
そう…なのですか?
不死川実弥
ああ。あなたが俺の隣にいるだけで、自然と力が湧いてくる。
あなた
私が隣に…いるだけで…
不死川実弥
お前を守るために頑張らなきゃって思える。
あなた
守られている時点で私はお役に立てていませんよ…
不死川実弥
まあそうかも知れねぇ。でもな、生きてりゃなんだってできんだろ。
あなた
!!
不死川実弥
鬼殺隊に確定した明日があるとは限らねぇ。それは柱も一緒だ。
不死川実弥
そんな中上限と戦い無事生還したあなたは、立派に鬼殺隊として役に立ってる。
心が穏やかになっていった。嬉しかった。
不死川実弥
あなたが鬼殺隊として生きてるだけで、鬼の脅威となることができる。
あなた
嬉し…いです…グスッ…実弥に出会えて…よ、よかった…
涙を抑えることができなかった。

それと同時にこれからも鬼殺隊として生き続けると心に誓った。

たとえ呼吸が使えなくとも。

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