《あなたside》
ここで炭治郎さん達とは1度お別れ。寂しいです…
大切な友達との別れがこんなに寂しいなんて、今まで友達と呼べる人がいなかった私にとっては思ってもみなかった。お見送りをして、姿が見えなくなるまで手を振り続け、とうとう姿が見えなくなったとき、寂しさを痛感した。
不死川さんの屋敷に到着し、私の部屋へ案内される。
今まで自分の部屋と呼べるものを持っていなかった私は、とても嬉しかった。
実弥が部屋から出て行ったのを確認し、着替え始める。実は私隊服はそんなに好きじゃない。だから素早く脱ぎ始める。
目の前に私と同じ背丈くらいの鏡が置いてあり、自分の体が見えた。できれば…見たくなかった。傷だらけ。殴られ、蹴られてできた痣、タバコの火を押し付けられた痕、切り付けられ、それを自分で縫った痕。普段は服で隠れてる、私の傷だらけの過去と体が露わになった。
まさか、入ってくるとは思っていなかった。素肌を見られることに抵抗はないが、この傷を見られてしまうのはいささか抵抗が…
でもわざとなわけではないわけだし…こんな姿を受け止めてくれるでしょうか…扉越しに話かけてみる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!