第34話

己にとって一番大切な人間
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2019/10/24 09:20
川の向こうから必死に私は止められる。
あなた
一体誰なの…?
??
少しは自分の心配をしろ!!
あなた
う、うん…
??
それに、生きるのを簡単に諦めるな!!死ぬことに抵抗をもて!!
あなた
でもだって、勝手に体が動くんだもん!!
??
それはお前が操られているからだと言ったはずだ!!
あなた
だってどうしようもないし…
キヨリ
あれは彼岸の人間…厄介だ。
彼岸の人間?!じゃあもう彼は死んで…
あなた
…私の夢の中なのに彼岸とか関係あるの?
??
ここはお前の夢の中では無い!!黄泉だ。
あなた
黄泉…?それって私…ほんとに死にかけてるの?!
あなた
いやまあ、三途の川渡るあたりほんとに死ぬかもしれないとは思っていたけど…
キヨリ
その男の言葉に耳を傾けるな!!
??
その鬼の言葉こそ耳を傾けるな!!
あなた
もうどっち信じていいか分かんないけど、三途の川渡れば死ぬってことは分かるから…
私は迷わず、
あなた
彼岸のあなたを信じる!!
??
よかった。俺と話をしている間は鬼の言葉に操られはしない。だから、耳を塞ぎ川とは全くの反対方向へただひたすら走れ。その先には黄泉の番人がいる。
??
その黄泉の番人は、己にとって一番大切な人間の姿に見えるらしいが、そいつに此岸へ帰りたいと申し出ろ。すると、此岸まで連れ帰ってくれるだろう。
あなた
わかった!!
キヨリ
ダメよ、勝手に帰らないで!!あなたに、あなたに私を殺してほしいの!!
どういうこと…?殺してほしい?
あなた
…?
??
耳を貸すな!!
あなた
わ、わかった…じゃあね、キヨリちゃん。
そう言い残し、耳を塞ぐと驚いたことに自分で体を動かすことが出来た。
川の向こうにいる彼の隣にいつの間にか、男の人と似たような狐の面をつけた女の子が並んでいて、私の方を見ている。その2人に背を向けて、私は走り出す。
??
そこの子〜!!炭治郎によろしくね、
女の子が炭治郎によろしくと言っている声が聞こえる。
??
義勇を…頼んだ。
今度は男の人が義勇を頼んだと…水柱様のことかな…?
あなた
はい!!!!!!!!!!
私は走りながら後ろを振り返って精一杯返事をする。

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