2人の目の前には、とても酷い傷を負ったナナが倒れていた。
<にゃあ……
すると、ナナの腕の中から1匹の猫が現れた。
<スリスリ……
猫は、ナナの頬を『スリスリ』と優しく撫でた。
ナナは、少し笑って見せた。
<ピーポーピーポー
その時、救急車が来た。
救急隊員が必死にナナの手当てをする。
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勿論、返事はなかった。
しんとした冷たい病室には、優しさに包まれた1人の少女の遺体だけがあった。
<ガチャッ
ころんは、ナナのお葬式には姿を現さなかった。
きっと母親から何も告げられていなかったのだろう。
まさか、実の妹が『死んでしまった』だなんて。言えるはずもない。
母親は、思い罪を被せられたような気がした。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。