まふまふside
小さい頃からお伽噺が好きだった。
赤ずきんや、シンデレラ。
必ず正義が勝つお伽噺が。
でも、ある日見つけたお伽噺は………
正義は勝たなかった。
興味が湧いた。
こんなお話見たことがなかった。
そこからは、本当は残酷なお伽噺というものを読み漁った。
でも、そのほとんどが
悪役が酷い目にあうというものばかりだった。
酷い目にあいたくなかった。
カッコいいヒーローになりたかった。
そして、見つけた。
お伽噺のヒロインの様な女の子。
結婚してくれる?と聞いて、
うん!と言ってくれた時はとても嬉しかった。
まるで、僕がお伽噺のヒーローになったみたいだった。
そして、今。
もう一度あの子に………あの女の子に会いたくて、
戻ってきた。
そうしたら………
その子には彼氏ができていた。
僕との約束なんて覚えてなかった。
そうだよね。
僕なんかが、お伽噺のヒーローになれるわけないんだ。
僕は、二人の邪魔物。
……悪役だ。
………でも、悪役が…
こんな僕が幸せになれる。
そんなエンドを期待してしまった。
そして僕は、ヒロインの……
あなたちゃんの、唇にそっとキスをして
学校から飛び出した。
宣戦布告だ。
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