第22話

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2022/05/06 21:00




それから、南の機嫌が悪くなることはなく、ゲームセンターを出た。




驚いたことに南のお出掛けの目的というのはゲームセンターのみだったようで。




プリクラを撮っていくつかのアーケードゲームを遊んで、私達は私の車に乗って宿舎へと向かっている。




隣の人は楽しそうに携帯をいじっていて、私に何か話しかけてくることもない。




ようやく私の心臓が静かになってくれたことに安心して、少し心が穏やかになった状態でハンドルを握って。




たまにはこういうのもいいかな、なんて。別にバレなきゃいいだけで、心理的に距離を置く必要はないのかな。





まぁその、バレなきゃいいっていうのがかなり難しいんだけど…




意外と南って鈍感そうだし、結構バレないかもね































南
あ、うん...ありがと、運転してくれて
あなた
いえいえ。私もちょっと楽しかったし
南
ちょっと?
あなた
いえ、凄く。
南
やんな?笑
あなた
圧が凄いな...笑 南はこの後どうするの?
南
ん〜…まぁ、ゲームかなぁ.........あなたもやる?
あなた
……どうせなら、ご一緒させてもらおうかな
南
分かった、じゃあホラーゲームな?
あなた
うわっ…意地の悪い顔してる…笑





運転してる間、少しこれからのことを考えていた。




これからもこの感じで南との関係を続けていけば、きっと数ヶ月前の私と同じことを感じさせてしまうような気がした。




一方的に南を悪役に仕立て上げたのに、一方的に距離を置こうだなんて。きっと一番の身勝手はつい最近までの私のこと。




自分が言ったことに責任を持つためにも、私はこの感情を隠しつつも南との距離を保つことにする。




そもそも、同じグループでアイドルなんて職に就いてる時点で距離を置けるはずもないから。




諦めてギリギリの関係を保つ事に決めた。




それは南のためではなく、私とTWICEというグループの印象の為。




印象操作って訳じゃないけど、まぁそれなりには操作しないとやっていけないしね笑




駐車場へ車を停めて、二人で宿舎へ戻って。




みんなに早かったねと声をかけられつつ、私達の部屋へ戻る。







채영
채영
...あ、二人ともおかえりなさい。どこ行ってきたんですか?
南
ゲームセンター行ってきた。久しぶりにやりたいゲームあったから笑
채영
채영
…そうですか笑 午前中だけだったんですか?
南
まぁ…ゲームセンターだけで一日使うのはちょっと勿体無い気もしたしな
채영
채영
じゃあこの後は出かけないんですね?
あなた
…なんか用事でもあるの?
채영
채영
…ちょっと、南オンニに相談したいことがあったので。
채영
채영
よかったら話だけでも聞いてもらえないかなって、思ってたんです
南
相談…?どしたん?私で良ければいつでも聞くよ?
채영
채영
じゃあ、今でもいいですか?
南
あ、うん……じゃああなた、先ゲームの準備してて?ついでにお菓子も出してくれたら嬉しいなぁ…?
あなた
…ん、分かった。笑 ルールとか分かんないから準備だけして待ってるよ
南
ありがと、チェヨンの部屋でいいんよね?
채영
채영
...じゃ、行きましょ









部屋の手前。後少しで部屋に入るという直前で、チェヨンの声で私たちは動きを止めた。




珍しく、チェヨンが悩みを抱えている。




…申し訳ないけど、私にはそんな風には見えなかった。




悩みなんか抱えてるような目じゃない。まるで何か大事なものの前のような。








嫌な予感がした。南とチェヨンが、チェヨンの部屋に入っていく後ろ姿に胸騒ぎがした。








でも私にそれを引き止める資格はない。




もし私の憶測でチェヨンの悩みを増やしてしまったなら、私はきっとここにいられる気がしないから。








収まらない胸騒ぎは、二人が部屋の扉を閉めた途端により酷くなった。








…ゲーム機、switchでいいのかな








今すぐ暴れたい程酷くなる動悸から意識を背けて。私は一人で、目の前の扉をくぐった。






























南side___




相談って言うから何事かと思ってきてみたはいいものの…




なんか、楽しそうやない?




なんか悩みがあるなら早く解決しないとって思って話聞きにきたのに今なんか映画の準備とかし始めちゃっとるし…




…あなたとゲーム、したいんやけどなぁ



南
チェヨン?相談って...
채영
채영
あ〜...相談、映画見ながらでもいいですか?
南
や、この後ゲーム一緒にする約束やから…
채영
채영
...あなたのニックネームオンニと、ですか
南
え...うん?




私がゲームする約束がある、というと、突然声が沈むチェヨン。




声と一緒に表情も少し暗くなったような気がして、もしかして相談事ってあなたのことなのかな、なんて。






…もしかして、チェヨンも……?




チェヨンもあなたが好きだから、私が二人でゲームするのを阻止するために相談とか嘘ついた…とか




…いや、まさかね。そんなんだったら引き離すだけでええもんな、別に私と一緒に映画なんて言わんでも










































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