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そんな彼等を見ていても自然と視界に入るのはやっぱり数原さん。
数原さんの私服…かっこいい。。
あ、今笑った…!数原さんは笑うと目が細くなるんだ〜。
パチッ
やばいガン見し過ぎちゃった。
だって絶対に目があったもん…//
そのまま見ていられるはずもなく、思わず目をフイっと逸らしてしまった。
「百合、私もう死ねるかもしれない …え、百合どうしたの⁉」
そう言って彼女の方を見ると百合は顔を赤らめて口をパクパクさせている。
百合「さっき、涼太くんと目が合って…笑ってくれたッ…///」
…ダメだ、百合もやられたみたい。
取り敢えずトイレに行って落ち着こう。
「…百合、私トイレ行ってくるね。」
…うん、見事に返事が無い。
もういいや、行っちゃお。
そして、トイレへ行く前にちらっと入口の方へ目を向けてみるともうそこには彼らの姿は無い。
もう、行っちゃったのか…。
もうこの先こうやって会うことはないと思うから、最後に一目見ておきたかったんだけどな。
まぁ、しょうがないよね…。
「はぁ、まさかこんなに好きになるとは思わなかったなぁ…」
なんてボソッと呟きながらトイレへと向かう。
男子トイレの前を通って女子トイレに入ろうとした時、いきなり男子トイレのドアが開いた。
「うわっ…!」
?「うお…っ、すまん!大丈夫やったか?」
ビックリした~、もう誰だよ。
そう思って顔を見てみると、
か、数原さん…ッ⁉
いやいやいや待って、こんな偶然ある⁉⁉
「だ、だ、大丈夫です…!す、すいませんでしたッ!」
取り敢えずぶつかりそうになったことを謝らないとと思い、勢いよくばっと頭を下げる。
龍友「ふはっ…そんな頭下げんでも…ッ」
頭を上げて見ると、
何故か数原さんは腹を抱えて笑ってる。
私はただ謝っただけなのにそんなに笑う!?
「あ、は、はい…?」
龍友「あ、そういえば今日のライブ見に来てくれとった子やよな?」
はい?今なんて…?
今日行ったことなんで…わかったの?
「そ、そうですけど…ッなんで分かったんですか?」
龍友「あー、いや確か一番前におったよな?せやからなんとなく覚えとったんや。」
え、じゃあ私のこと覚えてくれてたって事だよね…っ
待って、ニヤケそう…//
「そ、うだったんですね…!今日のライブ楽しかったですよ。」
龍友「お、ホンマか?嬉しいわ~。」
そういえば、数原さんって関西弁なんだ!
私、何気関西弁好きなんだよね~。
「はい!」
あ、今思い出したんだけどそういえば百合待たせてるんだった…!
すごく惜しいけど、早く帰んないと…
「…あ、あの、そろそろ友達待たせてるのでこれで失礼しますね…!」
龍友「あ、引き留めてごめんな〜。…最後に名前だけ聞いてもええか?」
…え、名前!?
まさか、数原さんから聞いてくれるとは…。。
これって多少は気になってくれてるって事でいいの…?
「あ、はい…!私の名前はま、松岡あなたっていいます!」
危ない、ちょっと噛みそうだった…。。
龍友「あなたちゃん。覚えたで!ええ名前や。笑 ほな、またな〜」
そう言って手を振りながら帰って行く数原さん。
なんか可愛く見えてしまった。笑
それに、ええ名前やなだって…!
これ、嬉しすぎる!
「あ、ありがとうございますっ笑はい、さようなら!」
数原さんを見送った後、くるっと踵を返して歩き出す。
その時、ふと思い出した。
そういえば私トイレ行くんだった。
まぁ、あとででいいや。笑
取り敢えず今は先に百合の所に行かなきゃ!
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「ゆ、百合!大変な事件が起きた!」
慌てて先ほど座っていた席へ戻ると驚いた顔をした百合が座っている。
百合「な、なにどうしたの!?」
ニヤケそうな顔を抑えながら先ほどあった出来事を話した。
「……ってことなの!」
百合「えぇーー!!待って、そんな偶然ある⁉⁉」
百合は目玉が飛び出しそうな程目を見開いている。
やっぱりそうなるよね…笑
私も会っちゃった時はおんなじこと思ったもん。
百合「なんか、この短時間でいろんなことがあり過ぎて頭がついて行かない…!」
まぁ、確かにそうかも…笑
数原さんに恋しちゃったこと、その数原さんにコンビニで会ったこと、 GENERATIONSや数原さんはトイレで会ったこと。
思ってみれば最近色んなことがあるなぁ…。
幸せなことが起き過ぎてこのままじゃ幸せが逃げそう。。
それだけはやだなぁ。
パニクってた百合が落ち着いた頃、2人で会計を済ませ帰路についた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。