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第5話

* どんな事でも、
それから私はその目的の為に必死に働いて勉強をして、今こうしてあの男の下についている訳である。


でもまぁ、スラム街出身の者がどんなに努力しても王族の従者になれる訳はない。


では一体何をしたのか。


先日、人伝であの男がいる城に新たにメイドが配属されるという噂を耳にした。そこを狙ったのだ。


配属予定のメイドの中で比較的私に顔が似ているメイドを探し出して。そして、殺した。


そのメイドの名前、”ノーラ・バレッタ”を騙って成り代わったのである。


私の本当の名前、と言っても何があったかは知らないが自分を捨てた親が付けた名前をそのまま使うほど親に恨みを抱いていない訳では無い。


だから、スラム街で私と同じように親に捨てられた友人、そう。あいつに殺された子に名前を付けて貰ったのだ。


本当の名前はエラ。美しい妖精の女性なんて意味が有るらしいけれどもう殺人を犯してしまった時点でその名前には沿えていない。


でも名前を付けて貰ったことが本当に嬉しくて、だからこそ友人を殺したエディー・アスケロフを許せないんだ。


あのメイドは私の目的を果たすには丁度良い人材だったから、仕方ない。本当は殺した時点で仕方ないなんてこと有りはしないけど、私の復讐を成功させるために私に目を付けられてしまった時点でもう諦めて欲しい。


勿論エディー・アスケロフを殺したら私も死ぬつもりだ。目的は果たせたし、私が殺してしまったメイドもそれを願っているだろうから。








私はエディー・アスケロフが私の横を通り過ぎた後事前に渡された手順書に従って屋敷の外へと足を踏み入れた。


大きくて広い庭園の花に水やりをするのがまず第一の仕事だった。


こんな馬鹿広い庭園の花の世話何て本当は面倒で嫌だったけれど、目的の為なら致し方ない。そう考える程私の中で目的の達成はどんな事より優先順位は格段上であったのだ。


倉庫に向かっては支給されたキーで鍵を開けた。ぱち、と電気を付ければそこはかなり大きくて、ここで住む事も可能なんじゃないかと思うほどだった。


倉庫に入って手順書に書かれていた散水ホースを探す。一回二回辺りを見渡すと見つけたそれにかなり驚いた。凄く大きいのだ。私の手三つくらいあるんじゃないか。


かなり重そうなそれを持ち上げて半場引き摺る様な形で倉庫から出せばすぐ横にあった水道の口にホースを取り付けた。


蛇口を捻って、ノズルをぐっと押し込んだ。途端、一気に風が吹いて花が舞う様に水が飛び出して来た。思わず、「 わぁ 」なんて日に当たってキラキラと反射する目の前の水に感嘆の声を声を洩らしてしまった。


いけないいけない、仕事しなくては。こんな所で感動している暇はないんだ。


そう脳内で自分を戒める様に呟けば私は再び仕事に移ったのであった。