第58話

56話
91
2022/03/24 12:14
日記が書かれているページまで全部見て、この屋敷に何が起こったか、全ての紐が解けたような気がした
そして、アリアが自分の妹を救う覚悟がどれだけの事か…
あいつ、自分の妹を救う為なら自分の命すら捧げる覚悟だ
あの槍だけじゃ意味がない
"犠牲"が必要なんだ。あの槍は、呪いを抹殺するんじゃない、ただ、呪いの力を弱らせるだけ…しかし、犠牲があるとするならば?…あの呪いを封印出来る力になるだろう
それで、あの馬鹿は…自分を犠牲にして、妹を救って、それで妹には幸せになって欲しいってか?
あいつの妹思いに呆れながら、日記を元の場所に戻して、この場所を後にした
ていうか、あいつ左に曲がれと言っていたのに、右じゃないか…
「いっ……」
突然、針を刺すような鋭い痛みの頭痛が私を襲う
またこの痛みだ。寝る前とか、寝ている時にも突然来るから、勘弁してほしい
頭を手で押さえながら、薄暗い廊下を進んでいく
廊下を進んでいく途中で、痛みが急激に引いていく
突然痛みがやって来て、それで突然痛みが急激に引いていく。本当に、この頭痛に悩まされている
頭を押さえていた手を下ろし、ドアを3回ノックする
すると、中から「入っていいよ」という声が雲って聞こえてきた
私は「失礼します」と聞こえているかは分からないが、いつもの癖で言って、ドアを開ける
六角形の部屋に、ドーム型の屋根から金色の丈夫なチェーンで吊るされたシャンデリアが、この部屋を明るく照らす
天蓋付きのベッドが置いてあったり、小さい本棚、そしてベッドの上や床にも置いてある人形
大事にしていたのか、1つ1つの人形はあまり汚れてはいなかった




この部屋の床と合うように敷かれたカーペットの上に座っている少女と同じ目線になるように、あなたの下の名前は少女の隣で屈んだ
「それは、何を読んでいるのですか?」ともう癖になってしまった敬語で、何かの本を読んでいる少女に問う
少女は、ただただ興味津々な目で、それほど多くないページを次々と捲っていく
あなたの下の名前は、不思議そうに、少女が読んでいる物のページに目を通す
そこにはこの世界のどこかではない場所で撮られた写真と、その下に紹介文のようにして、文字で
This is a picture taken in the town of Auria.
This is a race of humans, which is very rare here.
According to one researcher's hypothesis, this human being is different from us vampires and can do anything.
と書かれていた
あなたの下の名前は、その文字を次々と読んでいく
「これは、"オーリア"で撮られた写真である…これは"人間"という種族であり、ここでは非常にめ」
「ねえ、お姉ちゃん」
興奮気味の少女に言葉を遮られ、少しびっくりしながらも、優しく微笑み「なんでしょうか」と応えるあなたの下の名前
「人間って、何でも出来るの?」

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