第59話

57話 貯め書き終わったら、更新頻度
91
2022/03/25 12:04
あなたの下の名前はアリナが何故、そんなことを聞いてきたのかを疑問に思ったが、無闇に聞かず、アリナの質問に応えた
「んー…そうですねぇ、人間というのは何でも出来る訳ではないんですね」
あなたの下の名前がそう応えると、アリナは食い気味にこう言ってきた
「なんで?人間って、私達吸血鬼が苦手な太陽の下だって歩けるんでしょ?」
あなたの下の名前は、何故アリナがこんなことを聞いてきたのかが理解し、納得した上で、こう応えた
「確かに、人間というのは吸血鬼とは違い、太陽の下を駆け回ったりすることが出来ます。ですが、それって吸血鬼にも出来ることだと私は思っています」
「なんで?」
あなたの下の名前の返答が意外だったのか、食い気味にそう言うアリナ
「人間が出来ないことを出来るようになるには、ほとんどが努力で、残り一割くらいがその人の才能です。だから、その原理で吸血鬼もそうではないかと、私は考えてます」
あなたの下の名前がどこかをぼんやりと見つめながらそう言うと、アリナは「ふーん…」とまた本に目を落とした
「私も本を読んでいいですか?」
とあなたの下の名前が、アリナにそう問うと、アリナは熱心に本を読んだまま、「いいよ」と言った
「ありがとうございます」
そう静かに微笑みながら、床に散乱していた本の背表紙を1つ1つ確認しながら、一つの場所に積み重ねていく
そんなとき、ある本の背表紙にピタッと片付けていた手が止まる




これだ…今、私が探し求めていた本は
『植物図鑑』と背表紙に書かれた本を開いて、私が探し求めている花の詳細が書かれているページを見つけるまで、次々とページを捲っていく
そんな単調な作業を繰り返していると、意外と早く見付かった
図鑑は膨大な量があるから、もう少し時間がかかると思っていたが…
まあ、早く見付かったのだからいいかと自分を納得させ、早速花の写真の下に書かれている詳細に目を通す
やっと分かった…
アリアが持っていたあの花の名前…
"ダイモンジソウ"という花だ

プリ小説オーディオドラマ