トイレの個室へ入って便器に座って声を出さないように泣く。
どうして自分はこんなに弱いのか。テヒョンさんが友達って言ってくれたのに、どうして……。
“キャハハハハハ”
人の声がして息を潜める。今は授業中なはず。
まさか…………
そう思った瞬間、冷たい感覚が全身を襲う。
何人かの笑い声が遠のいてく。全身びしょ濡れだ。女の子達が出て行ったのを確認して保健室へ向かった。
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誰でも見抜けるような嘘ついちゃって…。
そう言いながらタオルを頭にふわっと被せてきた。
ベッドに乗ってカーテンを閉める。ジャージに着替えてカーテンを開ける。
そう答えると準備室に入っていく先生。
ここに居る時は素で居られる気がする。
飲めないけど貰ったからには全部飲まなきゃ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!