× JK side ×
無意識にあなたへ向けられた手は
ユンギヒョンの着信によって
止められた
殴ろうと思ってしまった自分が
今日は嫌だった
ユンギヒョンは何やら色々話しているが
まったく頭に入ってこない
目線はあなたを追う
あんなに可愛いくて綺麗な顔を殴りたくない僕だって
だけど無意識だったんだ
怒りや嫉妬心や自分だけの彼女にしたい独占欲だけが
強まって
どうしようもない
『じゃあ、また明日な』
JK「はい」
電話を切るとあなたの顔が強ばった
今日は
JK「あなた、さっきはごめんね?」
「…え?」
急な謝罪にキョトンとするあなたを
何だか無性に優しく抱き締めたくなった
-ギュ-
「ど、どうしたの?」
JK「不安なんだ…あなたが僕以外を愛してるんじゃないかって…不安なだけなんだ」
「分かってるよ、だから謝らないで」
君がそうやって
僕が今まで犯してきた過ちを優しく許すから
僕の中の悪魔が消えないで
更に悪くするんだ
JK「僕だけのあなたでいて?」
「うん。」
最近あなたは心からあの日のように笑わない。
原因が自分だって僕が一番分かってるのに、
僕の暴走はもう誰にも、
止められないんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。