歌い手界隈が1番賑わうと言われる大イベント、“シンガーフェスティバル”
私、千野 唄も出るはずだった。
出るはずだった、というのは、ついさっき仲間の全員がほかのグループへと移ると言い出したからだ。
私は、言葉を失った。これまで一緒にやってきたじゃん。
仲間に、裏切られた。
見捨てられ、た…
うちのチームは、私と曲太のイケボ、智歌のカワボ、拍斗のショタボで成り立っている。
どうしよう。
ああ、もう、棄権しよう…
その日の夜、本当に3人は家を出て行った。
私はリスナーに「イベントは棄権します」と報告して、不安な夜を過ごした。
気分は上がらない。心に穴が空いたようで、気持ちが悪い。
ーその頃ー
《♪愛を謳って謳って雲の上〜》
ピコン…!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。