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第13話

いつしかの約束2
4,443
2022/12/19 04:00
翌日

昨日と同じ部屋

らっだぁ
らっだぁ
……
金豚きょー
金豚きょー
……
緑色
緑色
……
レウクラウド
レウクラウド
……
コンタミ
コンタミ
……
ゾム
ゾム
……
鬱
……
らっだぁ
らっだぁ
……ゾム、鬱。
ゾム
ゾム
……
鬱
……
らっだぁ
らっだぁ
昨日はごめん。いきなり怒ったりして。
らっだぁ
らっだぁ
…二人はどうして、軍に行きたいの?
ゾム
ゾム
グルッペンが、すっごい野蛮で物騒な話を、遠くない未来の話を、めっちゃ楽しそうに話すから、あいつの見てる世界を、傍で見たくなった。
らっだぁ
らっだぁ
…鬱は?
鬱
僕も、ゾムと同じ。
自分の理想が、叶うことを確信してるみたいに、強引にでも叶えてやるっていうように理想を語るから、あいつの理想が叶う瞬間を傍で見たくなった。
らっだぁ
らっだぁ
……俺はね…正直、行かせたくないよ。
鬱
……っ
ゾム
ゾム
……っでも!
らっだぁ
らっだぁ
聞いて、
らっだぁ
らっだぁ
俺は行かせたくない。その上で、俺の気持ちを聞いて欲しい。
らっだぁ
らっだぁ
俺はね、あの時興味本位で連れてきた子供達にすっかり絆されちゃって、今では勝手に自分の子供みたいに思ってる。
らっだぁ
らっだぁ
きっとそれは運営も同じで、二人のことが凄く大事で、もう暗殺業界に関わらせちゃってるから強く言えたことじゃないけど、わざわざ死地に、戦場に行かせるようなことはしたくない。傷つけたくないし、死んで欲しくない。
傍らを見るとみどりくんとレウさんは静かに泣き出してしまった。
コンちゃんは目を閉じて、こちらに耳を傾けている。
きょーさんだけはしっかりとこちらを見てた。
なにか、重要なものを、未来を、見届けようとする目で見据えていた。
目の前に座る二人の姿をみて、大きくなったなぁ…なんて、場違いなことを考えてる。
現実逃避はまだ早い。目を閉じて、深呼吸して、ゆっくりと目を開ける。二人に向き合わなきゃいけない。
らっだぁ
らっだぁ
二人には、二人が行こうとしている道以外にも沢山の道がある。暗殺業界で過ごしてもいいし、一般人としてお嫁さん貰って幸せに過ごす道も選べる。
らっだぁ
らっだぁ
それでも、本当に、軍に行きたい?
長い沈黙。
俺はどうか、行かないという選択を取ってくれと、心の中で願った。
でも、もう、どこか答えは分かっていた。
ゾム
ゾム
……俺は、行きたい
ゾム
ゾム
グルッぺンに、ついていきたい。
お別れは寂しいし辛いけど、でも、
鬱
俺も。運営の皆んなの気持ちも分かるけど、それでも、
『行きたい』

その言葉がやけに重く感じた。あぁ、そうか、もう、引き止められないんだね、
らっだぁ
らっだぁ
そっか、
らっだぁ
らっだぁ
そっかぁ…
目を閉じる。まるで走馬灯のように二人との思い出が呼び起こされる。別れた後も、会おうと思えば会える。それでも、何かが終わってしまったような感覚は拭えなかった。

目を開けて二人を見ると、
目に何かが滲む。
二人の前で泣かないように昨日死ぬほど泣いたのにまだ泣くのか、
思わず上を向いて、溢れないようにもう一度目を閉じた。深呼吸して、ゆっくりと目を開ける。
もう大丈夫、涙は止まった。
らっだぁ
らっだぁ
じゃあ、約束をしよう。
らっだぁ
らっだぁ
1つ、もし、辛くなったら、帰っておいで。待ってるから。
らっだぁ
らっだぁ
2つ、俺達は敵対するかもしれない。暗殺者と、軍の要人としてかもしれないし、別の形かもだけど、その時は、
らっだぁ
らっだぁ
容赦も手加減もなし。
″全力″をもって敵対すること。
らっだぁ
らっだぁ
守ってくれる?
ゾム
ゾム
鬱
二人が頷くのを見て、

震えそうになる声を押さえつけて、言う。
らっだぁ
らっだぁ
行ってらっしゃい。気をつけてね。
笑えているだろうか、笑顔で送り出せているだろうか、あぁ、まただ、また目の前が滲んできた。
目の前の二人も顔が歪んでる。へんなかお、すごいへんなかおだよ。
泣かないで、2人とも
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番外編というかお別れ編終了です。

ほとんどらっだぁさんと運営さんの心情と葛藤だった…

ゾムさんと鬱さんほぼ喋ってない…

こんなお話でも楽しんでくれたなら幸いです。

次は外交編で会いましょう





       おっつぅ

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